心を持ったロボット
2作目となる作品を書きました。今回は、短編ではなく連載に挑戦します!
前作とは違うジャンルです。
ぜひ読んで感想をお願いします。
「あと少し、もう少しだ。」
ピーピーピーピーーー、ブゥーンッ。
「目が光った!」「完成だぁー」
「やりましたね教授!」
そう言いながら握手を求める彼の目には涙が浮かんでいた。
私は喜びを噛みしめながら、その油で汚れた手を力強く掴んだ。
「とうとう私はやり遂げた」
歓喜と安堵の感情がゴチャゴチャになっている。
この日、世界初の心を持ったロボットが誕生した。
ロボットの名前は"HEART OF HOPE " 略してエイチ・ツーだ。
希望の心という意味である。
3年前に私が発明した心を保存する機械、”LIGHT”。
これは脳を専用のスキャンで読み取り、能信号を特殊な球体にバックアップさせることで
死んでもその人の心はこの世に残り続ける事ができる機械だ。
LIGHTはただ、そこにバックアップがあるだけの球体で、
お守りや気休め程度のものでしかなかったが
そのLIGHTを、私が作ったロボットにパーツとして付けることで、
そのロボットに心を持たせることができるのだ。
「ココハドコ?」
ルビーのような輝きを放つ目をこちらに向け、ロボットはそう言った。
「喋りましたね教授」
「ああ、ちゃんと機能してるようだ。」
見たところ特に問題はない。
あとは記憶が戻っていれば完全に完成したといえるだろう。
「自分が誰だかわかるかい?」
恐る恐る訪ねてみた。
すると首をかしげながらロボットは言った。
「ワタシ、ダレ?ナマエ?……ワカラナイ」
その瞬間、和やかだった空気は水のように流れ、最後に沈黙を残していった。
少しの時間がたった。
「え、………何で………?」
「理論では何の問題もないはず……」
頭を抱えている助手をただただ眺めることしかできない。
助手の言う通り計算は完ぺきだった。
会話もすることができる。
問題は起こるはずがない!
その日から1週間部屋に閉じこもり研究に没頭した。
5体ものロボットを完成させ、全部にLIGHTを埋め込んだにもかかわらず、
結果が変わることはなかった。
なぜなのか、原因はなにか。
考えるたび頭の中の黒いもやもやが広がっていくばかりだった。
完全に行き止まった。
頑張って連載していきたいです。
次回に期待してください。