友達
そこにはとてつもなく気まづい空気が流れていた。
私は歩に告られて保留。
匠は告られたが私が好きだと言っている。
香那は匠に振られている。
でも、私が呼び出したんだ。ちゃんと話をしなくちゃいけない。
「こんなに長く時間を掛けたけれど、私は匠に言われた言葉の意味、ずっと考えてた。
もちろん私たちはずっと一緒にいるというのは無理なのかもしれない。この先物理的に離れて暮らすこともあるだろう。大学に行けば色んな友達に出会うだろう。私たちが会うことも少しずつ減っていくのかもしれない。
だけど、それで友達じゃなくなるっていうのは違うと思う。今後、歳をとれば10年ぶりに久しぶりと言って楽しく会って積もった話をするのもいいし、大学に行って定期的に会うのもいいと思う。
どちらにしろ私たちはずっと繋がっていたい。この先どんな未来が待っていようともずっと友達でい続けたいと思う。」
と話し終えると匠が話し始めた。
「確かにこの間は言い過ぎたと思う。それはごめん。
でも、今の俺らの関係を知っているだろう?それでも今まで通りに仲良く出来るのか?俺にはその自信がない。
歩と梨花を争ってもしかしたらどちらかが付き合って今まで通りに仲良くなんて俺はどちら側に立っても出来ない。」
と泣きそうになりながら匠が言うと香那は続けてこう言った。
「私は出来るよ。
匠が梨花を好きでも私は梨花と仲良く出来るよ。自分から梨花に話しかけにいく勇気はなかったけど、わざわざこんな機会設けてくれて、これからも一緒に居たいって言ってくれてすごく嬉しかった。私は梨花が例え匠のことを好きでも私は匠が好きだよ。
でも、梨花のこと応援する。
だって、友達だから。」
強い眼差しで私を見つめた
そして、歩が語り出した。
「俺は梨花が好きだよ。でも、俺も香那と同じ。
梨花が匠を好きでも梨花のこと好きだしもちろん匠のことも好き。友達だから。
これじゃダメなのかな?」
「み、みんなが仲良く出来るって言うなら俺は平気だぜ。全く心配かけやがって」
「お前が言うな!!」
と声を揃えて言ってしまった。
それがなんか面白くて前みたいに戻ったみたいで笑った。
けれども涙もとまらなかった。
「梨花、泣かないでよ。私まで泣いちゃうじゃん。」
「だって、怖かった。
このままみんなと話せなくなるの怖かった。でも、嬉しいんだ」
そのあとは楽しくみんなで帰って、これから先のことを少しずつ話した。