また4人で
「俺と付き合ってほしい。」
急だった。私にとっては。
こういうのはお決まりで告白する方は急ではない。
「待って。なんでこのタイミング?
それに私、歩のこと…」
と言いかけると歩はつかさずこう言った。
「知ってる。いいんだ。俺のこと友達としか思ってないことは分かってる。でも、諦めるつもりもない。一回でいい。
俺とデートしてほしい。
それからちゃんと答えを聞きたい。」
少しずるいと思ったけれど、ずっと一緒にいた歩のことを意識してないわけではなかった。だから、デートには行くことにしたけれどこんな自分はもっとずるいと自覚はしてる。
「わかった。詳しいことはまた連絡してね。」
「ありがとう。」
ホッとした表情で彼は教室に戻っていった。
そして、その日がやって来たのです。
「梨花、待たせたね。私服いつも以上にかわいいよ、ありがとう。」
「普段そんなこと言わないのに…」
歩は優しいけれど、こんなことは絶対に言わない。
「だって、俺、梨花を落とそうとしてるんだよ?当たり前だろ。」
「???そんなキャラだった?」
と思わず笑ってしまった。
「まぁいいじゃん。今日はデート楽しもうぜ。」
その日はとても楽しくて、正直揺れてしまった自分が怖くて何回もこうして会ったらきっと私は歩を好きになる。そう確信したんだ。だけど誰かを好きになるなんてまだ想像出来なくて、付き合うなんてどうしたらいいか分からなくて歩の返事をどうするのかすらも決められなかった。
「梨花」
と呼ばれて、なんとなく彼の表情で何を言われるかは予測が出来た。
「どうしたの?」
「改めて、言わせてほしい。
梨花が好きだ。付き合ってほしい。」
「今日、すごく楽しかった。
でも、これは友達だから楽しいと思えるのか男の子としていいと思ったから楽しかったのかもう少し一人で冷静になって考えてから答えを出したい。
それでもいいかな」
とゆっくり答えた。
「考えてくれるだけ嬉しい。ありがとう。」
やっぱり歩は優しいから、今日答えを出せなかったことは何も言わなかった。
こんなとき香那と仲良くしてればすぐに泣いて駆けつけたのにあれから匠だけではなく、香那ともまともに話していない。
香那のそばにいて彼女を羨ましいと思うこともたくさんあったし、もちろん友達だからめんどくさいと思うことも少しはある。けれども私は彼女と喧嘩をしたりすることはなかったから、逆に少しの不満が募って私は悪くないと思って意地を張って訂正しにも行っていない。
さすが、歩である。それを察したのだろう。
「また4人でファミレス行ったり出来るのかな。」
「そんな言い方しないでよ。もう行けないみたいじゃん。」
と必死に伝えた。
「じゃあ梨花は香那とちゃんと話した?」
「それは………」
「まぁ俺も人のこと言えないのに告白しちゃったからお互い様だね。
でもさ、俺このままは嫌だよ。」
「私だって嫌だよ。」
「こんなこと言ったら梨花はまた会いに行けなくなるかもしれないけど、言うね。
香那は振られたらしい。ずっと通ってただろ?匠のところに。
それで告ったら梨花が好きだと振られたんだとさ。
それで焦って俺は告白。恥ずかしいよな。」
「待って待って。何それ。知らない。
匠が私のこと…
そんなの絶対嘘だから。」
と言って思わず逃げて帰ってしまった。
「俺どんだけいいやつなんだ。辛くなるね。」
逃げて帰ったものの話をするのはどっち先かよく考えた。
けど、結論は出なかった。
そして、やっぱり4人でいたいという希望も込めて4人で集まることにした。
その時にはもう歩の告白のことなんて頭から消え去っていた。




