アニメ
「はぁお腹いっぱいで勉強なんてできないよ。」
と音を最初にあげたのは、言うまでもなく香那である。
「今日は、このページまで頑張ったら終わりにしようか。」
と優しく声をかける。
それから集中して今日の勉強会は終わりを迎えた。
「でも、解散には時間早いよね。どうする?」
と3人に聞くと様々な答えが返ってきた。
「みんなに合わせるよ。」
「アニメ見ようぜ。」
「えーゲームしようよ。」
意見が出たところで歩が私に
「梨花はどうしたいの。」
と尋ねてきたので、
「まだ見てないアニメがあるから、アニメ見ようかな。」
と伝えた。
香那は気に入らなかったらしく、機嫌を損ねてしまったので心配ではあったけれどアニメを見て元気になっていたので安心して見ていた。
「それにしても意外だな。」
「そうだね、びっくりしたよ。」
と男二人がこちらを見て言ってきたので
「何が。」
と聞き返すと、二人は笑いながら答えた。
「こんな男子がいる前で普通あんなアニメ見せないでしょ。」
「そうだぞ、無自覚とは驚いたもんだ。」
自分が渡したアニメがそういうものであったと忘れていたのと香那の機嫌が取れそうな面白そうなものを選んだ結果、そうなってしまったのである。
急に恥ずかしくなった私は焦って言い返した。
「この回がそういう回だって知らなかったから私のせいじゃないもん!」
「ヤダヤダ、変態梨花様。」
と香那がからかってきた。
「香那だって楽しく見てたじゃない!私だけ言われるのは、意味わからない。」
「まぁまぁ。二人とも変態ってことでダメかな。」
と歩がなだめた。
そうやって楽しく話していると匠は決まって浮かない表情をするようになった。
「匠、どうしたの?」と尋ねたい。
けれど、それすらもさせないという表情なのだ。
そのことで、4人で楽しく過ごしている時、匠の顔を見るのが怖くなった。