幸せ
「そろそろ本当のこと言わなくていいんですか?」
駿は時々そう言って来る。
でも、絶対に言わないんだ。それが匠との約束だから。何があっても梨花には言わないんだ。
「いや、言わない。」
真剣な表情で伝えるとすぐ分かってくれた。
約束の日まで一年半。匠、俺はお前との約束を絶対に守るからな。
「でも、梨花、気付かないかな。ほんとに。」
匠は気付かないようにやってくれてると思う,まぁとりあえず俺は梨花のそばにいるようにするよ。」
「ありがとう。」
「じゃあまた明日な。」
「ばいばい。」
ぴろん。ん?なんだ?
梨花か、
『匠から頼まれていたメールを送ります。』
どういうことだ。
『歩へ。ごめんな。驚いたか?隠すの歩はもうちょっと上手だと思ったけどな。梨花に本当に何かあったらってことで連絡先教えてたんだよ。梨花がお前らが話してるの聞いたみたいなんだ。だから梨花からのお返しみたいなもんだ。俺は最低なんだ。俺はお前に嘘をつかせた上にお前に嘘をついた。本当だったら高校卒業の時に日本に帰ってみんなで梨花に本当のことを言おうって話してたんだよな。梨花心配性だからさ。でもな、ごめん。お前に嘘をついたんだ。手術なんてほとんど成功しないと分かってたんだ。きっともう長くないことも。でも、梨花以上に心配するだろ?だからな、梨花にバレたらこのメール送ってもらおうと思ったんだ。
なぁ、歩、俺は歩と出会えて、みんなに出会えて幸せだった。駿とも仲良くやってるか?俺、いとこがいないから小さい頃からはとこの駿と一緒にいてな、だから歩達ともすぐ仲良くなれると思った。駿から最近の様子は聞いてるよ。まあそのために転校してもらったんだけどな。笑
俺、もっとみんなと遊びたかった。色んなことしたかった。でも、俺はもう出来ない。俺は昨日手術に失敗した。つまり……ということだ。
歩、梨花を幸せにしてやってくれ。俺は香那のこと幸せにしてやれなかったから香那のこともよろしくな。今までありがとう。」
あぁこんな結末あるんだな。
匠、俺も幸せだったよ。
こんな結末待っていても匠は俺らと過ごして幸せだったんだな。
未来のことが分かっても俺は怖気づいてしまうだろう。知らないからこそ楽しめる青春があるのだろう。
だとしても、匠と離れると分かっていても俺も梨花も香那もまた出会いたいと思うんだ。
1話1話に時間をかけてしまって申し訳なかったです。未来を覗いてみたいと思ったことはありますか?行ったみたいですか?私は辞めておこうと思います。
まぁ出来ないですけどね。笑




