ありがとう
今日、香那に会ってちゃんと話そうと決めた。
来てくれるかはわからないけど、全てを話して今の気持ちを伝えようと思った。
「梨花、話ってなに?」
全てを話した。
私が浅はかで匠と付き合ってしまったこと。
ちゃんとデートもして仲良く過ごしてとても楽しかったこと。
喧嘩をして、信じてもらえなくて悲しかったこと。
歩が泣いているところ話を聞いてくれて、歩に再び告白されたこと。
そして、匠とはキスが出来なかったということ。
香那は呆れた顔をしながらも全部聞いてくれた。
「それで?キスできなくて匠は何て言ってたの?」
「なんとなく分かってたけど、賭けたらしい。私が歩にメールを返してないことも知ってて、匠は自分を選んでくれたんたって思ったけど、私と歩が話している姿を実際に見て、私が歩のことを好きじゃなくなったのではなく、好きだけど振られるのが怖くて逃げただけなんだって思ったらしい。」
「梨花」
「え?なに?」
あまりにも香那が真剣な眼差しで私を見ていたので少し何を言われるか怖かった。
「今すぐ歩のところへ行きなさい。
匠の気持ちを無駄にしないためにも。」
今までの4人のことを考えながら歩を必死に探した。
今度は逃げない。
みんな、ごめんね。私がフラフラしたせいで関係を全て壊してしまった。こんな最低な私でも背中を押してくれる人がいる。話を聞いてくれる人がいる。
私の本当の気持ちを大切にしようと思う。
ありがとう。
「歩!!
そのまま聞いて。私、最低だった。
歩が一ヶ月でいいって言ってくれて歩に甘えてた。ずっと好きでいてくれるって安心してた。他の女の子と一緒にいるの聞いて、見て自分が好きなんだってこと改めて分かったの。
でも、本当のこと確かめるのが怖くて連絡を無視した。そんなこと間違えてるって自分でも分かってた。ごめんなさい。
でも、私は歩が好き。もう迷わない。
付き合ってください。」
「はぁ。」
とため息をついて話し始めた。
「本当にどうしようもないな、梨花は。
俺はずっと梨花しか見てないよ。今までもこれからも。本当に絶対迷わない?」
「うん。絶対。」
「分かった。じゃあ今までのこと全部流して俺は梨花を信じる。もう俺以外見ないでよね。」
「うん。」
もう泣きそうだった。
「梨花、好きだよ。付き合おう。」
「うん。」
泣いちゃいけないって分かってたけど、涙が止まらなかった。
「いけないんだ。女の子泣かせたら。」
「いやいや、今回は自業自得だろ。」
と笑いながら香那と匠がやって来た。
「本当に困った子だわ。私たちの親友は。」
みんなありがとう。
この時は自分のことで精一杯で、気付かなかった。
この時間は永遠ではないということに。




