099.貯金
コーちゃんと政晶君が、軽トラに寄付品を積む所までやってくれた。
真穂と藍ちゃんは、マー君の車に乗せてもらって本家へ。売る物を積んで、リサイクルショップに行って、その金も足して、ジャヌコで買物。
俺とツネ兄ちゃんも、郵便局の用が済んだら、ジャヌコで合流する予定。
近在の郵便局に行って、知り合いに会うと何か言われそうだから、矢田山市内の大きい局へ持ちこんだ。
俺は貯金窓口、ツネ兄ちゃんは郵便窓口。年末で割と混んでて、他の客に申し訳ない。
小銭は重量の割に大した額はなかった。
ジジイ共に取り上げられないようにしないと。
俺と真穂の通帳は、どちらもまだ使えた。記帳してもらったら、満期が通常貯金に振り替えられていた。それ以外にも毎年、それぞれの誕生日かその前日に、十万円ずつ振り込まれていた。
きっと、母さんだ。
ジャヌコの駐車場に着いた時には、買出しもほぼ終わっていた。五人で手分けして、マー君の車と軽トラに荷物を積む。
駐車場を出ると、電機屋さんの車が後ろにぴったりついて来た。
冷蔵庫の設置は、プロが二人掛かりでしてくれた。
マー君が「今すぐ設置できないんなら、要らない」ってムチャ振りして、係の人を連れて来たからだ。
設置後、マー君は「無理言ってゴメンね」と爽やかに笑って、二人のポケットに万札を捻じ込んでいた。
これは見習っちゃダメな大人だ。
家電類は箱から出して、物置部屋へ。取り説と保証書もまとめて置いた。
テーブルの上には、ラップが掛かった親子丼とおでんと味噌汁が一人分。
ゆうちゃんはまだ寝てるらしい。