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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第四章 賢治の十二月二十六日~十二月二十八日
96/130

096.集積

 真穂と藍ちゃんは、一番に物出しを終え、選別にかかっていた。

 階段下は壊れた家電のみ。

 仏間の隣は座敷で、大量の家具の上や間に、お中元お歳暮と冠婚葬祭の贈答品。立派な化粧箱に入ったまま、埃を被っていた。

 応接間も、見栄張りグッズと応接セットとオーディオセットの他は、贈答品だった。

 大きい家具はクロエさんと三枝さんが出してくれた。


 俺とツネ兄ちゃんも選別に加わる。

 「ラッピング剥がしたら、キレイなのばっかみたいだし、これは売ろう。で、小さい家具を買おう」

 タオルと洗剤は、コーちゃんが教えてくれたペットNPOに送る事になった。送料は発掘した大量の切手を使う。

 宛名ラベルの差出人欄を正直に書いて、お礼状とか届いたら、ジジイとオヤジがNPOに迷惑を掛けるに決まってる。だから、NPOの所在地で住所欄を埋めて、氏名はツネ兄ちゃんのヒーローにする。


 捨てる物、売る物、送る物に分ける。

 食品は全部、期限切れ。缶詰とか膨らんでヤバイ。

 クロエさんが応接間のカーペットを丸めて持って来た。ダニと雑妖の巣だ。これで、中の物は全部出た。


 「出荷用の箱でまとめて送ればいいよね。このままだと、箱多過ぎるもん」

 藍ちゃんが、タオルを化粧箱から出しながら言った。

 過剰包装を開封するだけでも、結構な作業量だ。その後、大量のゴミになる。NPO大迷惑だ。

 「ウチの白菜の箱でいいよね。ラベルもあるし」

 「いいのか?」

 「お父さんが『ダメ』なんて、言うワケないじゃん」

 藍ちゃんは屈託なく笑った。

 タオルは一旦、ゴミ袋に集めて、ガレージに置く。洗剤類もその隣に集積。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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