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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第四章 賢治の十二月二十六日~十二月二十八日
93/130

093.見栄

 十二月二十九日。

 昨夜は吹雪。一晩で五十センチ近く積もった。

 双羽(ふたば)さんが、朝食を待つ間に分家の雪下ろしをしてくれた。文字通り、朝飯前。


 魔女って凄ぇなぁ。


 本家の庭には、またゴミ山ができていた。

 ヘドロ加減から、ゆうちゃんの物だ。


 夜行性なのか。


 今日は納戸(なんど)の隣と仏間の隣と、階段下収納をやる予定。

 優先度の高い所からやったから、ここが最後になった。

 いや、後もう二部屋。

 ゆうちゃんの部屋とその真下……ノリ兄ちゃんに触るなって言われた部屋がある。

 ひしひしと何かヤバイ気配がして、近付くのも怖い。

 小さい頃、よくこんなのの隣の部屋に住んでたよな。


 ツネ兄ちゃんの提案で、居間と和室に仮置きした物を物置部屋に移した。

 ウォーミングアップ完了。

 今日は手分けする。

 真穂と藍ちゃんは階段下。マー君、三枝さん、クロエさんは仏間の隣。俺とツネ兄ちゃんは、納戸の隣。

 それぞれの場所の天井を双羽さんが洗い、三枝(さえぐさ)さんが雑妖を斬る。

 雑妖の勢力はかなり衰えていた。


 納戸の隣……玄関入ってすぐの部屋は、洋間だった。

 ソファの上と間に段ボールが置いてある。

 この部屋は、他と比べるとちょっとマシ。天井まで積み上がってない。

 足付き家具調テレビの上には置物ぎっしり。棚には埃塗(ほこりまみ)れのレコードプレーヤーと、たくさんのレコード。

 なんちゃってマントルピースの上には、雉の剥製と鉄道模型、ごちゃごちゃした置物と止まった時計。

 剥製には勿論「何か」入ってる。

 飾り棚には、高そうな絵皿と骨董っぽい茶器とトロフィー。


 応接間って言うか、見栄張る為の部屋だ。


 俺とツネ兄ちゃんは、黙々と段ボールを運び出した。

 どうせ要らないから押し込んだんだろう。中を改めるまでもない。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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