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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第一章 真穂の十二月
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009.給餌

 おにぎりと漬物、メモをお盆に乗せて、ゆうちゃんの部屋の前に置いて寝た。

 朝、見たら、空のお皿の上にビリビリに破れたメモが散らばっていた。お皿に残ったご飯粒で切れ端がくっついてる。


 何、この地味な嫌がらせ。


 すっかり忘れてたけど、私、昼は学校行ってるから、ゆうちゃんは一日一食になる。

 まぁ、どうせ一日中、部屋に居るんだし、死にはしないでしょ。


 今夜も一応、おにぎりと焼き魚を置いた。

 お祖母ちゃんとの約束だから。野菜炒めも残しといたんだけど、お父さんがおかわりしちゃった。


 まぁ、昔から働く者食うべからずって言うし、別にいいでしょ。


 次の朝、廊下に出て驚いた。

 一日一食の筈なのに、手つかずで丸々残ってる。

 私が食べるのは無理だけど、捨てるのも勿体(もったい)ないから、裏の雑木林に撒いた。(カラス)や雀の餌。


 次の日も手つかずだった。夕方、学校から帰ったら、密林(ミツリン)の荷物が届いていた。

 ゆうちゃん宛で、品名は即席麺。私のご飯は嫌だったらしい。


 あっそ。じゃ、もう二度と作ってやらない。

 食べないなら勿体ないし、お祖母ちゃんも許してくれるでしょ。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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