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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第四章 賢治の十二月二十六日~十二月二十八日

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86/130

086.百万

 晩飯の後、改めて二百万について、みんなに聞いてみた。

 座卓の真ん中には、二百十七万五千六百十一円と払戻票と封筒が、並べて置いてある。


 分家のみんなにも要らないと言われた。

 俺と真穂は申し訳なさ過ぎて、(うつむ)くしかない。


 「百万もーらいっ!」

 マー君が身を乗り出して、札束をひとつ掴んだ。

 みんな、呆気に取られて見ている。

 マー君は、札束をズボンのポケットに入れ、ニヤニヤ笑って言った。

 「この百万、俺がもらったから、俺のもんで、俺がどうしようと勝手だよな」

 「あ、あぁ、そうだな」

 米治叔父さんが標準語で言った。

 昨日、地区のみんなに(ともえ)一家を紹介した時、方言だと通じないんじゃないか、と言われたらしい。

 マー君達も「が」と「げ」の使い分けがわからないと言い、叔父さんは標準語で話す事にしたらしい。


 「じゃ、この百万、畳代の支払いに充てる」

 マー君はポケットから札束を出して、座卓に戻した。

 「えっ、あっ、でっ、でも……」

 「祖父ちゃんは、リフォーム代なんか、絶対出さないぞ。真穂ちゃん、払えるの?」

 「あ、あぁ~……無理むりムリ、無理です。ゴメンナサイ」


 叔父さんも、もうひとつの札束を一旦、懐に入れて、出しながら言った。

 「こっちの百万は俺が戴いた。で、家のリフォームやら壊れた物の買い替えに充てる」

 山端家の間取図-ほぼ終わり

 挿絵(By みてみん)

 部屋は概ね片付いた。

 まともに使えるものが少ない為、色々買替えねばならぬという。

 ※茶色=収納家具やガラクタや、ゴミ等の堆積エリア。

 ※黒色=部屋の存在すらよくわからない不明なエリア。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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