081.命令
ノリ兄ちゃんとツネ兄ちゃんが、額を寄せあって小声で相談する。すぐに話がまとまり、ノリ兄ちゃんはクロエさんに命令した。
クロエさんが、ゆうちゃんの部屋に入る事は禁止。
クロエさんが、ゆうちゃんに掃除の仕方を教える事。
ゆうちゃんが自ら部屋からゴミを出したら、クロエさんが、ゴミ焼き円に運ぶ事。
ゆうちゃんが自ら掃除している限り、クロエさんが、答えられる質問に答える事。
ゆうちゃんが自ら掃除しない場合、クロエさんが、部屋の物を全て窓から出す事。
「かしこまりました、ご主人様」
クロエさんは、ゴミ袋の束を抱えて二階に上がった。
俺達は物の選別に入る。
叔父さん、マー君、クロエさんが抜けても、予定より早く作業が終わった。
ノリ兄ちゃんがあっという間にゴミを焼いてくれる。
高そうな鍋セットが箱ごと出て来た。
ステンレスの立派な奴だが、祖母ちゃんには重過ぎる。売ってみんなへのお礼の資金にしよう。
他にも売れそうな物は、取敢えずガレージへ。
大した金にならないのはわかってるけど、少しでも足しにしたい。
午後の予定を話し合う。
階段と縁側の物を出す事に決まった。物が出せたら、俺とツネ兄ちゃんでリサイクルショップに行って、帰りに病院に寄る。
話がまとまった所に、コーちゃんと政晶君が昼飯に呼びに来た。
藍ちゃんが二階のクロエさんと、ついでにニートにも声を掛ける。
藍ちゃんは、クロエさんだけを連れて戻ってきた。