表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第三章 真穂の十二月二十五日~十二月二十六日
63/130

063.回復

 十二月二十六日。

 朝、起き上ろうとしたけど、筋肉痛が凄過ぎて声も出ない。何とか起きてそーっとトイレに行った。

 分家のトイレは、魔法で洗ってないのに、とってもキレイ。


 今日も頑張ろう。


 みんなで集まって朝ご飯を待つ間、ノリ兄ちゃんが歌を歌ってくれた。

 ムルティフローラの歌なのかな。不思議な響きの言葉が、女の子みたいに可愛くてやわらかい声に乗る。

 何言ってるかわからないけど、聞いてると元気が出て来た。筋肉痛でギシギシ言ってた体が、隅々までほぐれて、元気の(もと)みたいなのが行き渡る。

 歌い終わったノリ兄ちゃんは、三枝(さえぐさ)さんに支えられて座った。

 「ステキな歌ですね」

 「歌じゃないよ。ちょっとした怪我とかを治す呪文。経済(つねずみ)が筋肉痛になったって言ってたから、みんなもついでに治したの」

 「えっ……えぇえぇーッ? 凄い! あ、ありがとうございます」


 菜摘(なつみ)ちゃんちで遊んだゲームの回復魔法、リアルで体験しちゃったよ。

 マジで体、超楽になったし!


 マー君が「早い方がいいよな」って言って、車三台に分乗してウチに行く。双羽(ふたば)さんと三枝(さえぐさ)さんが窓から身を乗り出して、夜の内に積もった雪を魔法で除ける。

 近所の人達が、びっくりした顔で見とれていた。


 そりゃそうだ。


 道と庭を除雪した水で、灰をゴミ袋に詰める。あんなにあったゴミも、灰になるとたったの五杯分。

 あっけなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ