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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第三章 真穂の十二月二十五日~十二月二十六日
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062.発注

 台所の物出しが終わって、ツネ兄ちゃんも選別を手伝いに来てくれた。

 私はちょっと気になって、台所を覗いてみた。


 手前の廊下に双羽(ふたば)さんとクロエさんがいる。

 二人は汚台所(おだいどころ)と戦っていた。

 双羽さんが操る水に、クロエさんが洗剤を注ぐ。業務用サイズのボトル二本を含んだ洗剤水が、床を這う。

 一瞬で真っ黒になった。泡すら立たない。

 泥水の汚れをゴミ袋に出して、もう一回、洗剤チャージ。洗剤水が床に突撃。また一瞬で汚泥化。

 「あの、すみません。クロエさん、ちょっといいですか?」

 双羽さんは、呪文を唱えながら頷いてくれた。


 クロエさんを庭に連れ出して、空になった棚をゴミ焼き円に運んでもらう。

 私は残す物をガレージに運ぶ。残す物は少なかった。

 雪が降るといけないから、売る物もガレージに入れる。


 日没寸前、庭に出した物の選別が終わった。

 双羽さんが出てきて、みんなを洗ってくれた。知らない間にドロドロに汚れていた。みんな疲れ切ってる。

 一応、ゆうちゃんも呼ぶ。

 「っるせぇ! ブス!」しか言わなかったから、放置。

 今夜は台所の灯を消して、戸締りして分家に引き揚げた。


 三人の帰りをこたつでダラダラして待つ。

 ノリ兄ちゃんは、クロエさんを黒猫に変えて、うんと可愛がっていた。

 正に猫可愛がり。黒猫はゴロゴロ喉を鳴らして甘えている。


 猫の時はちゃんと「猫」なんだ。


 私は変な所で感心してしまった。

 夕飯を食べながら、お兄ちゃん達が色々説明してくれたけど、疲れ過ぎてて右から左へ抜けてゆく。


 リサイクルショップの店長さんは、米治叔父さんの知り合いだった。

 新品の食器以外は、値段が付かなかった。

 捨てるのがアレなら、施設とかに聞いてみたらって、近くの老人ホームと児童養護施設と自立支援施設を調べてくれた。

 お兄ちゃんと叔父さんが手分けして問い合わせて、欲しいって言ってくれた所に寄付してきた。

 クリーンセンターは、ギリギリセーフで間に合った。

 帰りに畳屋さんに寄って、新畳を発注した。

 「どうせ、腐っとるげな」

 山端家の間取図-水回り完了

 挿絵(By みてみん)

 水周り(風呂・トイレ・台所)の清掃完了。

 ※茶色=収納家具やガラクタや、ゴミ等の堆積エリア。

 ※黒色=部屋の存在すらよくわからない不明なエリア。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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