055.順番
びっくりしてばかりもいられない。大掃除をしに戻る。
メンバーは、お兄ちゃん、私、ツネ兄ちゃん、双羽さん、クロエさん、藍ちゃん。
お兄ちゃんが用意した装備を持って、本家へ。
マー君とノリ兄ちゃんは疲れてるから、お昼寝。
三枝さんは護衛。コーちゃんと政晶君は、宿題。
歩きながら、ツネ兄ちゃんが掃除の段取りを説明してくれた。
「状態があれだから、先に中の物を全部出そう。一カ所ずつ集中して、空にしてから掃除。最低限の所なら、トイレ、お風呂、台所、お祖母ちゃんの部屋の順番で。他は余力があればやろう」
「トイレとお風呂は先にちょっとやったから」
「そうか。じゃ、日がある内に終わらせよう」
お兄ちゃんが言うと、ツネ兄ちゃんは空を見上げた。雲が出て、空はどんよりしている。
ウチに着いてすぐ、藍ちゃんが感動して叫んだ。
「すっごいキレイになってる!」
「うん。みんなで頑張ったから」
「この調子で、残りも頑張ろう」
体洗って、ご飯食べて休憩したから、かなり元気になった。
廊下が通りやすくなったから、作業は大幅に楽になってる。
この流れなら、大丈夫。イケる。
藍ちゃんは、キレイな廊下に土足で上がるのを遠慮してくれた。でも、どうせ作業で汚れるからって説得して、土足で上がってもらった。
全員、ゴム手袋とマスクを装備して、ゴミ屋敷に突入する。後で洗ってもらうから、レインコートはなし。
「そうだ。双羽さん、私達が運んでる間、トイレ掃除してもらっていいですか?」
「構いませんが、宜しいのですか?」
「はい。魔法でお願いします」
お兄ちゃんが、クロエさんに荷物運びの指示を出す。
魔法じゃなくて、元がアレだから力持ちだったんだ。
手伝ってくれるなら、私にとってクロエさんは天使だ。
五人で、トイレ内に積み上がった過剰在庫の段ボールを庭に出す。




