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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第三章 真穂の十二月二十五日~十二月二十六日
51/130

051.紹介

 改めて自己紹介してから、箸をつけた。

 名乗っただけだから、謎の人のままだ。

 お誕生日席に座った叔父さんが、取敢えず、よく知ってる身内に話を振る。

 「マー君、久し振りだな。ツネちゃんも。えーっと……宗教(むねのり)君と政晶(まさあき)君は初めましてだな。みんな、今、何しとるが?」

 「俺は大学ん時に会社(おこ)して、今もその社長。経済(つねずみ)は技術部長。宗教(むねのり)は大学の准教授。政晶(まさあき)は中二」

 まだ半分寝てる声で、マー君が答える。


 社長って凄い。


 叔父さん達も感心してる。

 「凄いな。何の会社だ? ウチも相変わらず農業だげ、会社組織にしてな、ヨメに経理やってもらっとるが」

 「産業ロボットとか作ってるんだ。工場で使う業務用の一点モノ」

 「へぇー、何やわからんが、凄いげな。宗教(むねのり)君も若いのに大学教授なぁ、凄いげな。何教えとるが?」

 双羽さんは箸を上手に使ってるけど、三枝さんは無理みたい。スプーンで食べてる。

 黒猫はお行儀よく座っていた。


 かわいい。


 「教授じゃなくて、准教授ですよ。術理解析学が専攻で、魔法の仕組みとか教えてます」

 「……へぇー……全くわからんが、何やら凄いげな。学生さん、魔法使いなれるが?」

 「魔力がないと無理ですよ。でも、魔力の水晶とか補助具があれば、何とかなるかも」


 あ、凄い。

 ホントに魔法使いの弟子、育成してるんだ。

 進路変更、しちゃおっかな?


 「ノリ兄ちゃんのお勤め先って、何大学ですか?」

 「帝国大学魔道学部、帝都だよ。ちょっと遠いね」

 「あ、そ、そうなんですか、すごーく遠いですね」


 学力的な意味で遠過ぎる。

 最高学府。東の帝大、西の古都。この国の二大最高峰の一個。

 私じゃどう頑張っても無理。凡人は、普通に、地道に生きるしかないか。


 「魔法に興味あるの? この近くなら、商都(しょうと)水都大学(すいとだいがく)とその隣の神扉大学(こうひだいがく)にも魔道学部があるよ」

 「あ、いえ、ちょっと聞いてみただけなんで、あはは……」

 どっちも私じゃ無理だ。ハイレベル国立大。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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