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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第三章 真穂の十二月二十五日~十二月二十六日
50/130

050.昼食

 分家の前で、ノリ兄ちゃんがみんなに言った。

 「おなかすいたでしょ? 詳しい話はご飯の後にしようね」

 真知子叔母さんは、ちょっと驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの笑顔になって、迎えてくれた。

 縁側に面した客間に通される。

 座卓二台に肉じゃが、カラアゲ、サラダ、ホウレン草のおひたし、白菜の味噌汁、炊きたてご飯が、ほかほか湯気を立てていた。

 ノリ兄ちゃんが、部屋の隅に杖を立て掛けて、こっちを向いた。黒猫を抱っこしている。


 ペットも連れて来たんだ。後で私も抱っこさせてもらおう。


 「あれっ? クロエさんは?」

 全員座ると、お兄ちゃんがキョロキョロした。

 ノリ兄ちゃんだけ、鶏のササミと梅肉とシソのおじやだ。脂っこいのはNGみたい。

 「ケンちゃん、クロエに用事?」

 「えっ? 用って言うか、ご飯……」

 「ご飯はなくても大丈夫だよ」

 「えっ?」

 ノリ兄ちゃんは、面倒臭そうに言った。


 何なんだろう。

 王族とメイドは一緒にご飯たべちゃダメとか、身分的な何かなのかな?

 それは確かに面倒臭い。席も余ってるのに。


 上座の座卓に叔父さん、マー君、ツネ兄ちゃん、ノリ兄ちゃん、政晶(まさあき)君、お兄ちゃん、コーちゃん、藍ちゃんと私、下座の卓に叔母さん、双羽さん、三枝さんが座った。

 「猫ちゃん連れて来たの? キャットフードは?」

 「いらないよ」

 真知子叔母さんの質問に、ノリ兄ちゃんが答える。


 流石にそれは持って来てるか。

 いつものじゃないと、食べない子もいるし。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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