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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第三章 真穂の十二月二十五日~十二月二十六日
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047.埋没

 クロエさんが食器棚を庭に出した。

 双羽さんが、バラバラになったカラーボックスを水で流して外に出す。

 多分、ゴミに埋まってたから、腐ってて、持ちあげたら崩れたんだ。脱衣所の時みたいに。


 ホント、ゴメンナサイ。


 双羽(ふたば)さんと三枝(さえぐさ)さんが交替する。三枝さんは、ゴム手袋を受け取って、家に入った。

 お兄ちゃんが共通語で何か言うと、三枝さんは頷いた。

 廊下の棚に手を添えて、何か呪文を唱える。短い呪文が終わると、側板を掌で軽く叩いて、棚を持ち上げた。中身が詰まってるのに、ひょいっと持って、すたすた外に出る。


 軽くする魔法……なのかな? 超便利じゃん。


 棚の後ろには、毛布みたいな灰色の埃の塊と、ドアがあった。


 隠し扉を発見した!

 ……とか言ってる場合じゃない。


 ドア本体は埃に埋まってて、ノブだけが出てる。ノブの上にも、埃がこんもり。

 「こんな所に……部屋、あったんだ……」

 「間取(まどり)的に、あるだろうな。後何部屋か」

 「仏間も塞いでるんだな。私が子供の頃は、入れたんだけど……」

 ツネ兄ちゃんが、隠し扉の反対側の棚をコンコン叩いた。

 廊下は、棚とカラーボックスがぎっしり。

 玄関から右手側はトイレ、脱衣所、居間の入口だけが開いてる。

 反対側は、脱衣所の向かいが階段、階段の隣にお父さんの部屋、その隣がお祖父ちゃんとお祖母ちゃんの部屋。

 台所は突き当り。

 そう言われてみれば、玄関に近い所にも部屋がないとおかしい。

 廊下が長過ぎる。って言うか、居間に対して廊下が長いから、脱衣所&お風呂と居間の間にも、もう一部屋ある。

 「とにかく、掘り進めよう」

 お兄ちゃんに言われて、私は外に出た。

 山端家の間取図-廊下-清掃中

 挿絵(By みてみん)

 隠し扉を発見した!

 破竹の勢いで清掃が進み、トイレ前までの通路を確保。

 ※茶色=収納家具やガラクタや、ゴミ等の堆積エリア。

 ※黒色=部屋の存在すらよくわからない不明なエリア。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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