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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第一章 真穂の十二月
25/130

025.神様

 「んで、経済(つねずみ)君は、目ぇ離すとすぐ、屋敷神様の所で(うずくま)ってたげな。寒いのに」

 「屋敷神様?」

 初めて耳にした単語に、お兄ちゃん、私、コーちゃんの声が重なった。

 「あれっ? お袋、お(まつ)り止めちまったが? 土蔵の脇にちっちゃい祠があってな、そこで家を守ってくれる神様拝んでたんだ」

 「えっ……何それ? 知らない……」

 「ガラクタが邪魔で、蔵に近付けないんだけど?」

 叔父さんの説明に兄妹(きょうだい)で青くなる。

 そのテの神様って大抵、粗末にすると罰が当たる。

 って言うか、こんなゴミ屋敷、罰が当たって当然だ。

 お祖母ちゃんの怪我が天罰だとしたら、充分過ぎるくらい、神様は我慢して下さってた。

 どうせなら、お祖父ちゃんとお父さんをどうにかして欲しかったけど、お祖母ちゃんの怪我をきっかけに大掃除が始まったから、これも神様の思し召し通りなのかもしれない。


 「マー君はわかり易い奴だぞ。小遣いやったら、その分、きっちり働いてくれるげな」

 叔父さんは、気マズくなった空気を元に戻そうと、話を戻した。


 一番、手伝ってくれる可能性が高いけど、一体、幾ら払えば引き受けてくれるんだろう。

 後でプロの特殊清掃料金を調べようっと。

 ツネ兄ちゃんは無理っぽいし、ムネ……いや、ノリ……かな? ノリ兄ちゃんは絶対ダメっぽい。


 「三人とも、今年で三十……幾つだったか……マー君は高志さんそっくりだったから、きっと他の二人もそうよ」

 真知子叔母さんが、見わけがつくかねぇ? と、首を傾げた。

 真穂視点ここまで。


 山端家の間取図-庭-初期段階

 挿絵(By みてみん)

 上図は、アリの巣の模式図ではなく、山端家の敷地概略図。

 現在は雪で埋もれているが、雪がなければこのザマ。

 庭は産廃に埋もれ、屋敷神様の祠に参拝できない。

 と言うか、賢治と真穂は、祠の存在自体知らなかった。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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