022.保留
お風呂場にも土足で入って、シャンプーとかの空ボトルをゴミ袋に詰めた。
物が多くて風通し悪くて、掃除し難いから、お風呂場は黴だらけ。床はこすってもこすってもぬめぬめ。洗面器と椅子は色が変わってるし、石鹸入れには、古石鹸の地層ができている。
風呂場と洗濯機周辺のゴミを庭に出して、深呼吸。
ゴミの山は、朝の三倍くらいになっていた。
再び、洗面台と向き合う。下段の両開きの棚は、洗剤やシャンプーとかのボトルと、入浴剤と石鹸の箱がぎっしり。
ここのは全部中身が入ってるみたい。保留。
上の棚も、手が届かないから、保留。
過剰在庫の段ボール壁も保留。
考えるのが面倒になってきた。
トイレと戦っているお兄ちゃんに声を掛ける。
「お兄ちゃん、そっち、どう?」
「んー……ぼちぼち……どうしたもんだろうな?」
トイレの手洗い場も収納付きで、お兄ちゃんは手が届くから、上の棚も開けていた。でも、新品の在庫ばかりで、移動はしていない。
床の空容器やトイレットペーパーの芯、ドアのカレンダーはなくなっていた。
洋式トイレの床マットも全部捨ててある。
「新品の事は、後で考えよう。今はとにかく、ゴミを捨てよう。ねっ」
「そうだな」
まだ汚いけど、トイレにも杖を突いて行けるようになった。
二人でゴミ袋を庭に出す。