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汚屋敷の兄妹  作者: 髙津 央
第五章 汚屋敷の兄妹
128/130

128.決着-兄

 真穂から合格のメールが届いた。

 俺は、旅行会社の海外相談窓口の裏方で、研修を受けている。

 宿舎に帰ってメールを開く。

 真知子叔母さんとツネ兄ちゃんから、あの後の顛末が返信されていた。

 真穂は、俺にツネ兄ちゃんのメールを転送してくれた。



 FW:RE:桜咲く

 真穂ちゃん、合格おめでとう。

 ゆうちゃんの事は心配いらないから、真穂ちゃんは今までの分、幸せになるんだよ。


 開かずの間の祭壇にあった骨は、歌道寺(うどうじ)さんが引き取って供養してくれてる。

 寺の何代も前の住職の日記に、骨の由来が書き残されていた。

 元々、庭の隅っこに埋められてたらしい。

 この人も、当時の山端の当主に散々な目に遭わされて亡くなって、祟ってた。

 きちんと謝罪して手厚く供養するように、と祭壇を(こしら)えたけど、すぐに放置。


 祖父ちゃんと豊一(とよかず)叔父さんは、元日に帰って来た。

 住職、区長、隣保班長、消防団長と駐在さんに証人になってもらって親族会議した。

 宗教(むねのり)が魔法で、祖母ちゃん、祖父ちゃんと豊一叔父さんに三十年前の事を質問した。

 魔法で強制されて、豊一叔父さんがゆうちゃんの母親をDVで殺した事を白状した。

 祖父ちゃんは、外聞が悪いからって、開かずの間の床下に死体を埋めたと白状した。

 祖母ちゃんは、何も知らされてなくて、近所の人達と同じ嘘を本当だと思っていた。


 祖父ちゃんと豊一叔父さんには、償いの意思がなかった。


 米治叔父さんが、晴海(はるみ)さんの実家に連絡して、遺骨を返して償いをすると言った。

 ゆうちゃんも山端の本家を捨てて、都会で就職して、二度と戻らないと宣言した。

 で、ウチの一階の空き部屋に居候して、就職活動してる。六月末まで預かる予定。

 今のところ、まだ汚部屋化してないから、安心して欲しい。



 すんません。安心できる要素が思い浮かびません。マジすんません。

 俺は、遠い異国の空から、日之本帝国の方角に向かって土下座した。

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【関連  「汚屋敷の跡取り
ゆうちゃん視点の話で「汚屋敷の兄妹」と全く同じシーンがあります。

▼用語などはシリーズ共通設定のページをご参照ください。
野茨の環シリーズ 設定資料(図やイラスト、地図も掲載)
地図などは「野茨の環シリーズ 設定資料『用語解説17.日之本帝国』
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