四話 旅の途中
「さ・か・が・み・くん」
どこからともなく女性の声が耳に入ってくる。しかも、誘惑を誘うような声でだ。
俺は、目をつぶったまま起き上がろうとすると
ガッチン。
俺は、何かに頭をぶつけるのがわかると同時に痛みがはしった。
「坂上くん。酷いんじゃない?」
という言葉を聞き美和がいることを確信した。が、俺は、ものすごい光景を目にした。
「おっ、お前その格好はなんなんだ」
「ふふっ、この格好のどこがダメなの?」
明らかに、俺をおちょくっている(美和ってこんなキャラだったのか)。
「そっ、それはな...」
「そこまで言うなら最後まで言いなさいよ」
うう。ここは、致し方ない。
「下着一つで俺の前にいるなっ!」
「ふふっ、坂上くんは、やっぱり面白いわ」
美和は、イタズラが成功して満面の笑みを浮かべる。
「着替えてくるわ」
と言った。
俺は、美和が「着替えてくるわ」と言った言葉の意味は、他の下着に変えてくると意味にもとらえれたが、実際は、美和の長い黒髪ににあう服装できてくれた。
「ふぅー。安心した。お前が他の下着に着替えてこなくて...」
「坂上くん、私は、そこまでお調子者じゃないのよ」
そして、美和は一呼吸おいた。
「雑談は、ここまで。さて、本題に入るわよ」
俺が話を聞く姿勢になると、いつものおしとやかな口調で話始めた。
「さっき木の精霊とコンタクトがとれたの。場所は、能寺そうよ」
「能寺!まさか、あの妖怪屋敷のところじゃないのか?」
「そのまさかなのよ。妖怪屋敷だから、霊力をもっているやつもいるわ」
雲行きがあやしくなってくる。
「こんなことしている間に早くいかなければ」
「えぇ。そうね」
こうして俺たちは能寺に向かった。