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プロローグ

 

 僕の名前は、八神光。都内の高校に通う普通の学生だ。

 両親は、普通のサラリーマンでつい最近念願のマイホームを頭金有りのローンで購入したばっかりである。

 今日は、記念すべきマイホームからの初登校でまだ新築の匂いがする我が家から慣れない通学路を通り少し浮足だっていた。

 天気は、快晴で爽やかな風が頬をなぜて気持ちが良かった。

 なんていうか漠然と今日はいい日だなぁとこの時の僕は、能天気に考えていた。

 ……あんな事があるまでは。


 さてここでいきなりだが僕は、3年前の中学2年の夏、異世界に勇者として召喚された。召喚された世界でいろいろ紆余曲折はあったもののなんとか勇者らしく世界の危機を救って元の世界に帰ってくることが出来た。

 僕としては、もう二度あんな事はないと思っていたのだが人生やはり何があるか分からない。

 気がつくと僕は、またしても知らない世界に召喚されていた。

 しかも今回は、他の勇者の召喚に巻き込まれた唯の一般人として。

 

……どうしてこうなった。








 朝のホームルーム直前のことだ。

 僕はのっそりと教室に入り自分の席に着いて、いつものようにカバンから音楽プレーヤーを取りだして耳に突っ込んだ。教師が教室に入ってくるまで僕は、いつもこうしてお気に入りの音楽を聞いて過ごしている。

 教室をぼけっと見ると見慣れた光景が広がっており、仲のいいグループで喋っているものもいれば、机に突っ伏して寝ている奴もいるし、僕みたいに音楽を聴いている奴もいる。

 クラスメイト達は、それぞれ思い思いにホームルームまでの時間を過ごしていた。

 もうしばらくすると予鈴がなり、退屈だけど平和な学校生活が始まる予定だった。

 しかし予鈴がなった瞬間、教室の床がカメラのフラッシュを何十倍にも強くしたように光出した。

 



「な、なんだ!?これ!?」

「わかんないよ!」

「お、おい何かやばくない!?」



 突然の出来事にクラスメイト達が、戸惑いや恐怖の入り混じった声を上げた。


「なっ!まさか」


 僕もこの光景にクラスメイト達とは別の意味で驚きの声を上げたが、別のクラスメイトの悲鳴にも似た声にかき消され、そのまま強い光に意識を持っていかれた。



 そして光が止むと僕達は、地球で言うところの中世ヨーロッパの城の豪華絢爛な広場のような所に佇んでいた。




「よくいらしました。我らが勇者様」

 今僕達の目の前には、非常に高価そうなドレスを着たまるで高名な人形師が作り上げた最高級ドールのような美少女が立っていた。お姫様みたいな人だな。

 ……いや、みたいなじゃなくお姫様なのだろう。

 彼女の後ろには、大層な鎧を着込んだ兵士達が直立しており、僕達が目の前の少女に何をしても対処出来るように目を光らせている。こういう場合は、まず間違いなく目の前の相手は、やんごとない身分の人である。

 確か前もこんな感じだったなと僕は、少しの懐かしさを感じた。

 そして次の言葉を聞き、つい先ほどの光は、やはり召喚魔法によるものだったのかと確信した。




「突然の召喚を御許し下さい。私の名は、エル•グランツ•カレラ。カレラ王国第一王女です。どうか私たち人族の危機を救って下さい。」



 お姫様は、肩を震わせ縋るような声で僕達に確かにそう言って頭を下げた。


「……まじかよ」


 僕は、誰にも聞かれないような小さな声で呟いた。

 こうして僕の二度目の異世界生活が幕を開けたのだ。

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