精密検査。
精密検査の日取りが決まり、その日がやってきた。
姉は祈る様に私を見る。
両親もかけつけた。姉の旦那さんも。
そりゃそうだろう。大切な我が子に何かあってはと気が気ではない。
名家の跡継ぎの精密検査。私を心配するのは両親のみだ。
「香乃子……。 頼むわよ」
私の手を握り、お腹を触る。
「検査するのは私じゃないし……」
「いや、 でも君にもしもがあったら困るんだ」
明らかに敵意のある言い方をする義兄。
いや……。貴方達の為に私は苦労してるのよ?分かるかな?
皆に見送られ、処置室へ。
部分麻酔をかけられ、エコーを見ながらお腹に針を刺すと言う。
お腹が見えぬ様に布で遮られてはいるが、エコー画面は見える。
慎重に針を刺す。
麻酔はしたが、やはり痛い……。
それに違和感もある。
検査中、ベッドの上で天井を見ながらふと思う。
何で私ここまでやっているのだろう。
普通に命の大切さをあじわって欲しかっただけなのに、想定外の事で非難され。
まるで私のせいではないか。
確かに卵子は私の物。しかし義兄さんに問題はないの?
拭えない何かが私を襲う頃、検査が終了した。
「暫くは安静にして下さい。 入浴も控えて下さい」
「結果はいつ頃……?」
「おって連絡致します」
病院のベッドで暫く休み、私達は帰宅した。
「気疲れしてしまうわね。 順調だったのに……」
姉は帰るなり私にそう吐き捨てる様に言った。
「言われても、 こればかりは仕方ないじゃない。 私だって初めてなんだから」
「うちの人のせいなの?」
「だから! 誰のせいでもないって。 自然な事なんだから」
「病気は先天性の物よ? うちの人は悪くないわ。 貴女の卵子が悪いんじゃない?」
これ以上は押し問答だ。
「疲れたから休むね」
私は自室へと向かった。
私が悪いの?何かあったら、私のせい?
懇願され、命の大切さの為に引き受けた事だけど、病気かも知れないってなったら非難するなんて。
私は一体何よ。
私はやり切れない気持ちになった。




