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うちの妹は

作者: なみフグ

この作品の一部はノンフィクションです。

だが、登場する団体・人物・場所には関係ないのでよろしゅう

ピピピピッピピピピッ

バシッ!

「ん…朝か………」

初めまして、俺は小山明久こやまあきひさ

特に説明するまでもない普通の高2なのだが、俺には1つ下の妹がいる

王道展開ならここで妹が起こしにくるだろうが、俺の妹はむしろ…


「ねぇ、邪魔なんだけど」

「……………」

朝一番、起きて一言がこれなわけで…

「そこに立たれると洗面所に行けないんだけど」

「そんなのお前がよければいいだろ?」

「ボクに命令すんの?明久のくせに」

「す、すいません…」


このクソ可愛くない妹は小山優奈こやまゆうな

ボクッ娘であるこの妹はかなり性格がキツい、ツンデレでもない不機嫌デフォな女の子である

「はぁ…まぁ朝食でも食うか」


ガチャ…

「あ!!なにしてんの!?」

「なにって…牛乳飲むんだけど?」

「それボクの牛乳なんだけど!名前書いてるでしょ?」

見ると確かに『優奈』となぐり書きしていた

「別にいいじゃん、そんなのでケチケチすんな」

「よくないんだけど!!勝手に人の飲まないでくれる?」

「もしかして背でも気にしてるのか?」

「はぁ!?バカじゃないの?」

「バカはないだろ、バカは」

「背なんて関係ないし!ていうか、あんたなんかに言われたくないし!」


「う…(汗)」

確かに俺と優奈は背にはあまり差がないけど…

「ほら、何も言えないじゃない」

「う、うるさいな!いいから早く学校行けよ!」

「言われなくても分かってるわよ!」


ダンッ!!

「痛っ!?」

「このバカッ!」

このやろう…優奈の奴、右足を思いっきり踏みやがった!

「はぁ…」

とまぁ、こんな感じで俺の日常がスタートするのだ


~~~~~~~~~~~

「よー、小山おはー」

「おはよう、河野くん…」

この人は河野祥也かわのしょうや、同じクラスの友達だ


「…どうした?足引きずって」

「俺の妹が右足踏んできた…」

「ははーん、お前妹さん怒らせたろ?」

「うん。優奈の牛乳飲んじゃって…」

「なんだそんなことか、ケンカの理由がしょうもないなぁ」

「でも朝はこんな感じだよ」

「お前と妹さん、よくケンカするよな」

「大抵は俺が負けるんだけど、家じゃ立場弱いし」

「兄としての威厳はまったくなしって感じか(汗)」


「おいっす!今日もアンパンが美味しいぜ!」

「朝からアンパン食うな」

ハイテンションでやってきたのは鈴井祐治すずいゆうじ

通称、ぽっさん

ロリコンが彼の信条だ


「どうした?小山、元気ないな」

「いや、コイツ妹さんに朝から足踏まれたらしい」

「マジで?あの妹さんが?」

「あぁ、そういやぽっさんは妹さんの顔見たことないんだっけ?」

「うむ。だが愛想のいい女の子だと聞いたぞ」

「え」

優奈が…?


~~~~~~~~~~~

廊下

「あ、優奈だ」

俺はぽっさんと一緒に廊下を歩いていると向こうから優奈がやってきた

「む、はれがいもおとか(お、あれが妹か)」

「ぽっさん…アンパン食べながら、喋らないで(汗)」

優奈が近付いてくる…

こういう時なら、声を掛けても無視をするだろうが…

しかし


「あ、こんにちは~」

「!?」

「どうしたんですか?お兄さん?」

「え?いや、別に…」

な、なんだ急に話しかけてきて…


「お兄さん、この人は?」

「え?あぁ、この人はぽっさん。」

「ぽっさんじゃ分かんないだろ、俺は鈴井です」

「鈴井先輩ですか、初めまして小山優奈です。兄がお世話になってます」

「おぉ、よろしくな」

「……………」

コイツ…見て分かるように猫を被ってやがる…すげぇ、気持ち悪い

「それじゃあ失礼しますね、鈴井先輩。お兄さん」


テクテク…

「……………」


「すげぇ、可愛い娘じゃないか!!」

「そ、そう…か?」

「俺のロリコンフラグがバルス状態でうずくぜ!!」

「いやいや、絶対可愛くないって、優奈は」

「俺にとってはあの可愛さがうずくんだぜ!」

もはや鈴井はなに言ってるか分からないが

しかし何なんだ?あれ…


~~~~~~~~~~~

昼休み

「は?妹さんが猫被ってる?」

「そうなんだよ河野くん。なんか気持ち悪くて…」

「お前知らんのか?結構、学校じゃ人気だぞ」

「え」

「1年の後輩から聞いた話だと男子からの人気が高いらしくてな、素直で可愛らしい清純派の女の子だと」

「優奈が!?本当に?」

「あぁ、本当だ。なんだ知ってるのかと思ったよ」


「いや…全然知らなかった…」

優奈がそんなことになってるなんて…兄としてはどうなのか

しかし、あの優奈は気持ち悪かった…


~~~~~~~~~~~

その後

テクテク…

「あ…」

俺は1人で歩いていると向こうから優奈が

「よぉ、優奈」

声を掛けてみるが

「……………」

あれ?無視し始めた

「おい、優奈」

「……………」

すると無言で振り返り


「なに?」

「お前、さっきの挨拶なんなの?」

「明久には関係ないでしょ?」

「関係なくないって、お前学校じゃそんな猫被ってるのか?」

「猫なんか被ってないし、何言ってるの?バカなの?」

「バカじゃねえよ。というかこういうの止めてくれないか?」

「なんでよ」

「そんなことされたら、俺にも影響出るからさ」

「うるさいな。ボクに構わないでよ!!」

キッ!!


「う…(汗)」

「ふん」

優奈に睨まれて、そのまま立ち去ってしまった。

「……………」

とまぁ、こんなにも可愛くなく面倒くさい俺の妹なわけなのだが…

とある日


~~~~~~~~~~~

「そういや、もうすぐバレンタインだな」

「そうだな」


今日は2月7日、バレンタイン一週間前である

「河野くんはまた彼女さんから貰うの?」

「あぁ、ぽっさんは?」

「俺は女の子になら貰えれば誰でもいいんだ。ただし幼女限定でな!!」

「(変態)紳士だなぁ」


と昼休みにバレンタイントークをしていた

「ところで小山はあの可愛い妹ちゃんから貰わないのか?」

ぽっさんが聞いてくる

「前は失敗作を貰ってたんだけど、最近は貰えないんだよね」

「でも一応、貰ってたんだな」

「友チョコの失敗作らしくて結構本格的なんだよ」

「でもそれは友チョコじゃなくて、彼氏宛だったらどうする?ww」


ぽっさんはいじわるな顔で言う

「優奈に彼氏?そんなのあるわけないよ」

「いや。あれで性格キツいけど、それがたまらん!!って人いるかもよ?」

「それただのドMだよ…」


と俺は彼氏なんかいるわけないと思ってたのだが…


~~~~~~~~~~~

5日前

ガチャ…

「……………」

テクテク…バタン!


「あれ?」

おかしいな…いつもならリビングに来るはずなのに…

早々と部屋に入っていった。


4日前

ガチャ…

「おかえり、優奈」

ビクッ!!

「……………ただいま」


バタン!

「?」


3日前

ガチャ

「優奈、ご飯だよ」

「きゃあ!?開けるときはノックしてって言ってるでしょ!!」

「あ…ごめん。ところでパソコンで何してたの?」

「べ、別に関係ないでしょ!!」


テクテク…

「怪しい…」


2日前

ガチャ…

「おぉ、おかえり優奈。遅かったね」

「遅くてもいいでしょ…」


ガサッ

優奈は何か袋を持っている

「なにその袋?」

「別に明久には関係ないでしょ!!邪魔だから消えて!!」

ドタドタ…

「邪魔ってお前…」

しかし、あれはどう見ても動揺している

しかも、あの袋にうっすらとだが板チョコのパッケージが入っていた



まさか……………彼氏にチョコを!?


1日前

「というわけで、どうしよう河野くん!!」

「SHI☆RU☆KA!!」


「そんなひどいよ!!」

「本当に知るかよ!妹さんに彼氏が出来てめでたいじゃないか」

「それはそうだけど…なんか納得いかなくて…」

「なんでさ」

「あんな性格キツいのに彼氏いるのが分からないんだ」

「やだ、この子ったらシスコン?やーねー」

「シスコンじゃないよ!!俺はただ納得いかなくて…」

「でも、妹さんも女の子だし、好きな人くらい出来るだろ?何が納得いかないのさ」

「う~ん…」


ガチャ…

「ただいま」

やっぱり本人に聞いた方がいいのかな…でも絶対答えてくれないに決まってるし…

とリビングに行こうとすると


「ちょっと!!来ないで!!」

「!?」

いきなりリビングから優奈の怒鳴る声が

「なんで?」

「いいから来ないで!!来たら、蹴るわよ!」

「わ、わかった…」

なんだよ一体……………まさか!!

明日のバレンタインに備えて、彼氏にチョコを!?


うぅ…本当に渡すのか。俺はどうしたらいいんだ


~~~~~~~~~~~

バレンタイン当日


ウロウロ…そわそわ…

「何してるの小山…」

「え」

「なんで1年の教室うろついてるの?」

「あ…えと…これは(汗)」

「あれか。妹さんが心配なんだろ?もー、この子は本当にシスコンなんだからー」

「違うよ!妹の彼氏がどんな人か見ておきたいと思って」

「お前はお父さんか」


「なにしてんの?」

ビクッ!!

「うわぁ!!優奈!?」

振り向くと優奈が立っていた

「河野さんも…2人で何か用?」

「コイツ、妹さんが心配で様子見に来たんだよ」

「ちょ…おまっ…」

河野くん正直に話さなくていいから!!


「なにそれ?心配される覚えないんだけど?」

「いや…それはそうなんだけど」

「とにかく私のクラスにはもう来ないでよね」

ガラガラ…バタン!!

「……………」


~~~~~~~~~~~

ガチャ…

「ただいま」

「……………おかえり」

帰ると優奈がリビングにいた。

「……………」

「な、なに?ジロジロ見ないでくれない?」

「………お前さ、今日はバレンタインだよな?」

「そうだけど…だからなに?」


「お前、彼氏にチョコ渡したのか?」

俺はそう言うと

「は、はぁ!?ボクに彼氏?なに言ってるの!?」

「いや、だってチョコ作ってたじゃんか」

「あれは友チョコに決まってるじゃない!!」

「じゃあなんであんなコソコソと作ってたの?」

「そ…それは…」

「友チョコなら、いちいち隠さなくてもいいでしょ?」

「べ…別にいいでしょ!!それよりこれ!!」


ポスッ

「え」

渡されたのは、袋に入れられたチョコだった

「なにこれ?」

「友チョコの失敗作。捨てるとお母さんに怒られるから残飯処理として食べて」

「これが失敗作?」

それにしてはキレイに出来てると思うんだが


「味が気に入らなかったの!」

「しかもご丁寧にラッピングしてくれて…」

「ラッピングが余ったの!もういいから早く食べて!!」

ドタドタ…


「ばれんたいんオメデトウ…」


「はぁ…」

やっぱり面倒くさいな…

俺はこの可愛くなく面倒くさい妹と暮らしている


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― 新着の感想 ―
[良い点] ストーリーの流れがいいね~、羨ま、 [気になる点] 鈴井が露骨かな~、(ロリコン的な意味で、) [一言] 妹か………欲しかったなぁ、
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