表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

サステナブルな天狗

作者: motimoti

「おはようございますのよ、団地組の皆さま。

今日も静かに、でも確かに、暮らしは続いておりますの。」


今日も定番の挨拶から始まった。


名前はミドリノ・リナ。

年齢:28歳


居住地:東京・下北沢(築50年のリノベ団地)


フォロワー数:Instagram 43万人 / YouTube 18万人 / Threads 9万人


活動ジャンル:サステナブルライフスタイル、昭和レトロ、都市菜園、スローライフ哲学


のインフルエンサーだ。昭和40〜50年代の文化やファッションを愛し、

着物リメイクや古道具の紹介を通して、

現代に合った“懐かしさのある暮らし”を提案する。

語尾に時々「〜ですのよ」と付ける、独特な口調がファンに親しまれている。


そんな彼女は、

実は広告代理店出身で、退職後に「消費じゃない暮らし」を模索し始めた。

プロフィールには明かしていないが、文章力が高く、

noteで連載しているエッセイがたびたびバズる。


たまに投稿される「謎の手紙風ポスト」は

一部熱狂的ファンの間で“リナ電報”と呼ばれている。


そんな彼女、鼻が高くなってきた(リアル)。


視聴者から心配され、病院に行くが原因不明。動画投稿を優先したかったがために、入院を断った。


だが1ヶ月後、今度は鼻が細くなり始めた。異変を感じたマネージャーは、入院を

勧めるが、彼女はそれすらもネタにして投稿。


この投稿は、大きな反響を呼び、バズった。


このバズりをみてミドリノは、高くて大きな笑い声をあげたという。


鼻の異変が収まってきた頃、今度は背中がムズムズしてきたミドリノ。

鏡で見ると、そこには、肩甲骨のように大きな「ナニカ」ができていた。


鼻や背中の異変のあともミドリノは、体の部位に様々な異変が出てきた。


最初の異変から、1年過ぎたあたりからマネージャーは本格的にまずいと考え、

なにかと理由をつけて入院を断るミドリノを病院に送ろうと考え、

ミドリノの家へ訪問した。ちょうどミドリノの人気が絶頂を迎えた頃だった。


だが彼女はいなかった。存在したのは大量の羽毛と白髪だけだった。


この失踪事件は瞬く間に拡散されていき、目撃情報もあがったが、どれも偽物ばかりで

ついに、見つけることは叶わなかった。


しばらくして、ミドリノの住んでいた、街の山に天狗がいるかも知れないという噂が

浮上してきた。


実のところ、この天狗は、ミドリノ・リナ自身であった。

彼女はインフルエンサーとして、メジャーになってから、有頂天になって

天狗になっていたのである。()()()()()()()()()()()()

その後、彼女は醜い知名度ばかりにうえる天狗になってしまった。



Fin.




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ