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斬れぬもの無し大賢者  作者: ユイツ
幼少期
3/15

祝福後


ギャン泣きした俺に、皆は『何でっ!?』と思いつつなだめに入った。


「大賢者だぞ!凄いじゃないか!」


「伝説の職業よ!凄いわエクス!」


父と母は嬉しそうだったが、それも俺には不満だったので、更に泣いた。


「こらエクス!そんな泣き虫が大剣豪になれるわけねぇだろが!」


「ハッ!な、泣いてないもん!グスッずびっ」


祖父の言葉にハッとして、無事に泣き止んだが、涙と鼻水でぐちょぐちょだったと、村人には大人になっても笑われる。


「じいちゃぁん、おれ、だいけんごうじゃなかったぁ……」


「エクス、逆に考えろ!魔法も使える大剣豪はカッコいいだろうが!」


「…………ホントだ!カッコいいかも!」


「職業は神様が魔法も使える大剣豪がカッコいいから授けてくださったんだ!大剣豪には自力でならんかい!」


「はわぁ!そうかぁ!俺もう石斬れるようになったから魔法の職業くれたのかぁ!」


「そうだ!……ん?石が斬れるように?」


「あ!言ってなかった!俺ちゃんと石斬れるようになったんだよ!スゲェでしょ!」



いつも収納に入れてる石斬りセットを取り出して、祖父に見せてやったのだ。そしたら祖父は驚き過ぎて顎が外れた。


回復術師を授かったレナの練習だ……患者第一号である。


まぁ石を斬ったことで、俺がわけわからんけどヤバいってことになり、伝説の職業である大賢者が出たということもあって、お偉いさんが村にやって来て、俺は王都の魔法学園の基礎学部に入学が決まったのだった。


因みに、学費はタダであり、むしろ制御を覚えて欲しいから強制的に入れと言われた。


お偉いさん……貴族にしてみれば大賢者を派閥に加えればマウントとれるが、俺が平民であり、魔法職なのに大剣豪を目指してるとか言うわけわからん奴だったので関わりたくなかったようだ。




儀式の次の日には領主が直々に村にやって来て、俺を屋敷に連れてったので、大賢者ってのはよっぽどだったんだと思う。


因みに、何で領主がこんなに早く動いたかというと、通信の魔道具ってやつで神父さんが王都の大きな教会に連絡したらしい。そこから王様まで話が行って、領主に即座に確保しろと命令が来たんだとか。


領主の屋敷で文字や作法等を教わっている途中、俺の様子を聞いた王様たちは、子供だから御しやすいだろうと思っていたのに、ちょっととんでもなさ過ぎて無理だと思ったらしく、そっとしとこうって決めたらしい。



うちの国の上層部は本当に優秀だと、後に友人に言われた。




領主の屋敷で一番始めにやったことは風呂だった。


水浴び状態が綺麗だと思っていた俺の洗浄では水浴び状態までしか綺麗にならなかったらしい。


魔法はイメージが大事らしく、風呂に入ったことがなかった俺では洗浄の魔法をかけても貴族からしたら薄汚れていたようだ。


複数の使用人にじゃぶじゃぶ洗われた。


その時初めて知ったんだが、俺の髪色は不思議な色だった。灰色だと思っていたのに汚れていただけらしい。


全体的に水色なのに毛先の方にいくごとに藤色になっていた。だいたい皆は一色か、メッシュが入ってるだけなのに、何で俺だけグラデーションカラーなのか?


洗い終わった使用人たちにも、染め…てるわけないよね?って確認された。むしろこんな髪色してるとは思ってなかったので、俺の方がびっくりしたと答えといた。


因みに、魔力で強化し始めてから日に焼けなくなっていたので、風呂から出た俺の肌は白く、ツヤツヤもちもちの子供肌である。


洗い終わったら、ついでというように髪を整えられ、なんかしっとりする水を顔に塗られ、動くのが恐ろしくなるような上等な服を着せられた。


鏡で見た俺は、変な髪色でキラキラした金の眼(後にキラキラが魔眼の特徴だと言われた)のポケッとした雰囲気の子供だった。


初対面の印象を領主に聞いたら、呑気そうな子だなぁと思ったそうだ。


因みに、俺の顔は平民の中では美男だが、貴族の中では普通という評価である。

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