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【五章完結】気付いたら組長の娘に異世界転生していた冷遇お嬢。  作者: 三月べに@『執筆配信』Vtuberべに猫
【第陸章・】

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番外編・耳かき


 それはまだ私の喉を休ませていて、声を出せていない頃のこと。

 まだ優先生ではなく、氷室先生と呼んでいた。

 そしてそんな氷室先生に、つま先に口付けをされて忠誠を誓ってもらったあと。


「舞蝶お嬢様。耳かきをしましょうか」


 入浴を済ませて、月斗にドライヤーを使って髪を乾かしてもらったあとに、眠気が来るまで術式の練習をしようと筆を持っていたのだけれど、氷室先生が耳かきを片手に微笑みかけてきた。


「リラックスして寝付きやすくなりますよ」


 私を寝かせてくれるためにも、耳かきを提案してくれたみたいだ。

 コクリと頷いて、私は机を片付けてキーちゃんが丸まって寝ているベッドに乗り込んだ。

「失礼します」と氷室先生は、ベッドに腰を下ろす。ポンポン、と膝を叩いて見せるから、私は右耳を見せるように頭を乗せた。


「…………」


 月斗が、物欲しげにじっと見つめてくる。月斗、待て。ステイステイ。

 月斗にはまた今度、耳かきを頼むからさ。


「先ずは耳マッサージをしますね。血行が良くなって身体が温まって寝つきが良くなりますよ」


 そう言いながら、氷室先生は耳の周りからツボを押してくれた。

 そしてもみもみと耳たぶから、耳の周りを揉まれる。氷室先生の手は、最初は冷たかったけれど、私の耳マッサージをしているうちに温かくなった。血行も良くなってきたのか、耳から温かくなってきたみたい。


「では、耳かきを始めますね」


 カリカリ。耳の外側から、丁寧に耳かきの先で掻かれる。

 くすぐったくて気持ちいい。


「小さくて愛らしいお耳ですね」


 穏やかな低い声をかけられる。

 耳かきASMRのシチュエーションボイスみたい。先生イケボ。

 カリカリ。

 耳かきも気持ちよくて、程よい眠気がもうきた。

 リアルイケメンに耳かき。ASMRを超えるリラックス。


「……」


 ……月斗の視線が、突き刺さるけれども。

 しょうがないので、スマホからメッセージを送り付ける。


【月斗には今度お願いするね】


 それを確認した月斗は、ぱぁああっと明るい顔になった。

 それにしても、器用だな、先生。流石、お医者さん。

 やり取りが見えたらしい氷室先生は、クスッと笑った。


「耳の中も、耳かきしていきますね」


 ズボ、と耳の穴に差し込まれる耳かき。浅いところから、カリカリと耳掃除をされる。


「毎日掃除しているから、耳の中は綺麗ですね。お嬢様」


 それはよかった。お風呂上りに綿棒で掃除しているから、綺麗なのだろう。汚かったら恥ずかしい。まぁ、耳かきは耳掃除だし、綺麗にしてもらおうだけだ。


 カリカリ、カリカリ。


 誰も口を開かないから、静かな時間が流れた。


「ふわふわで仕上げますよ」


 耳かきの反対側にあるふわふわでくすぐられる。これって、ぼんてんって言うんじゃなかったっけ。

 白いふわふわ、くすぐったい。


「右耳は終わりましたよ。反対を向いてください」


 肩を軽く叩かれたので、のっそりと起き上がって寝返り。

 次は、左耳を向けた。

 またマッサージからしてもらい、血行を良くしてもらう。すっかり身体がポカポカしてきたので、心地いい眠気がきている。このまま眠ってしまいたい。

 もみもみと耳たぶを捏ねられて、耳の形をなぞるように揉まれた。

 それから、耳かき。カリカリ。カリカリ。


 うとうとし始めていた私は、完全に身を委ねていた。



 次に目を覚ました時。

 私はキーちゃんに寄り添われてベッドの中にいて、朝を迎えていたのだった。




 それから雲雀家本邸から飛び出し、仮住まいであるマンションの一室に月斗達と暮らしていた時のこと。


「月斗。耳かきして」

「!! はい! 喜んで!!」


 居酒屋のノリかな?

 こちらが尋ねる前に、氷室先生こと優先生は耳かきを持ってきてくれて、月斗に渡した。

 私の部屋のベッドに、月斗は腰を下ろして、私はその膝に頭を乗せる。


「優しくしてね?」

「ゴクリ」


 なんで今喉鳴らした……?

 吸血鬼だから優しくしてほしい。まぁ、日常生活に支障が出ないから、力加減を誤ることはないだろう。


「優しくします! マッサージからしますか?」

「うん、お願い」

「……お耳、ちっちゃい。ゴクリ」


 なんでまた喉鳴らした……?

 さっきドライヤーで髪を乾かしてくれた手で、耳のマッサージを始めてくれた。


「お嬢、福耳ですね」

「そうかな?」

「ぷにぷに……」


 耳たぶばかりぷにぷにしないで~。

 月斗の手が、右耳を揉みほぐす。うん、気持ちいい。


「痛くないですか?」

「うん、気持ちいいよ」

「よかった」


 月斗のご機嫌な声を聴きながら、耳マッサージを受けた。

 次は耳かき。カリカリと耳かきの先で耳掃除開始。


「全然汚れてないですね」

「耳掃除好きだからね」


 お風呂上りの綿棒で耳掃除をしているから、特に汚れていないそうだ。

 でも耳かきは別。気持ちがいいので、月斗に身を委ねた。

 それがわかったのか、月斗はもう片方の手で頭を撫でてくれる。

 そうだ。私も月斗に耳かきしてあげよう。

 丁寧に月斗が右耳の耳かきをしてくれたあと、次は左耳をしてもらった。

 カリカリと優しく耳かき。それからぼわぼわとぼんてんで仕上げ。


「あれ? 眠くなりませんでした?」


 私が起き上がると、月斗は眉を下げて不安げに見てきた。


「んー? 別に眠ろうとすれば眠れるくらい、気持ちよかったよ? なんで?」

「……優先生の時は寝落ちていたので」


 ちょっと不服そうに唇を尖らせる月斗。

 優先生と違って、寝落ちなかったから、自分の耳かきがだめだったのかと思っているみたいだ。


「次は月斗」

「え?」


 月斗から耳かきを取り上げて、しっかり消毒して綺麗にしたあと。

 私はポンポンと伸ばした足の太ももを叩く。


「月斗に耳かきしてあげる」

「え!?」


 ボンッと真っ赤になる月斗は、あわあわと開けた口を震わせた。


「お嬢が、耳かき……ゴクリ」


 喉鳴らすほどのこと?


「ほら、おいで? 優しくしてあげる」

「ゴクリ!」


 微笑んで、膝ポンポンして見せると、またもや月斗は真っ赤な顔で喉を鳴らした。


「お嬢様。あまり刺激しすぎないでくださいね」


 部屋の外から聞いていたのか、優先生が注意してくる。

 はいはい。執着症状を出すヤンデレ吸血鬼の喉を鳴らさせて過ぎてはいけないね。

 激しく照れた様子で、月斗は私の膝に頭を置いた。


「マッサージから始めますね~」

「ゴクリ」


 いや、いちいち喉鳴らさないでよ。

 月斗は、ひたすら真っ赤な顔で私の膝の上にいたのだった。


 このヤンデレ吸血鬼、純情すぎる。


 でも、耳かき中は動かないでね。






 ※※※※※※

あとがき。


本編の方、書き溜めが出来ないお詫びに番外編。

新キャラの登場の仕方が全然思いつかなくて詰まっている……。

今年中に六章完結しませんでした……無念。


今年の目標は長編作品のどれかの完結で、この『冷遇お嬢』かなぁ、と

思っていたのですが、よくよくプロットを見ればそんなボリュームじゃなかったって……。

まだまだお付き合いくださいませ!


今夜はもう一つ番外編を書こうと思っているので、『執筆配信』をしますのでよかったら覗いてみてください!

キーちゃんか、サーくん主役の番外編がいいかなぁと思っています。

19時です。よろしくお願いいたします!


Vtuberを思い付きで始めたから、本編書けなかったんだろうなぁとは思いつつも、

挑戦したかったので致し方なし!!キリッ

とも思っていたりしています。

来年はもっと『冷遇お嬢』を書く時間を確保したいですね。


ブックマーク、ポイント、リアクションをよろしくお願いいたします!!

励みになりますので!


2025/12/30

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