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第八十三話 44層はどうかな

 44層はかなり狭い通路となっているし迷路のようになっているのか直ぐに曲がり角が見えている。


「これだと今までとは同じじゃなくて俺が先頭を歩いた方がいいのかな」


「はぁいきなり目の前に出て来た魔物に対処出来るのかよ、そんなのは盾師の俺の役目じゃねぇか」


「何を言うんだい旦那よぉ、あのなぁいきなり魔法を放ったら魔法障壁が間に合う訳ねぇじゃねぇですか、あの騒音が我慢が出来ねぇからあっしの魔法が必要なんでしょ」


 勇気を振り絞って先頭を歩くつもりだったのに、ヘンリクとゲルトは呆れたように俺の意見を否定してくる。


「ちょっといいかな、私はその勇気はいいと思うんだけど考えてごらん、もしミノタウロスのすぐ後ろに壁があったら大変な事になるんだよ、危ないでしょ」


 ジールは俺の魔法を理解してくれ分かりやすいように説明をしてくれた。確かに倒せたとしても解除のタイミングを間違えたら【雷銃】は跳ね返って来る可能性がある。


「分かったのか、いいんだよ先頭は俺がやるから、それにな今回は俺の後ろはお前じゃなくてユウとヨモギが付いてくれ、お前らなら横並びで歩けるだろ、ユウは最後尾でその前におっさんだ。歩いて来た場所なら距離が分かるだろうからな」



 ◇◇◇



「どっせい、ほら行けっ」


 この階層に入ってから何度目かのミノタウロスとの戦闘が始まった。今回もいきなり出くわしたがヘンリクは冷静に盾を前に出して攻撃を防いでいる。


「このっ」


 次の瞬間にはジールがヘンリクをすり抜けながらランスをミノタウロスの脚に刺し、態勢が崩れたミノタウロスをヘンリクの背中を足掛かりにしてジャンプしたヨモギがハンマーを打ち下ろす。


 次にジールとヘンリクが場所を開けヘンリクが棘を出した盾ごと体当たりをすると後はミノタウロスの身体がダンジョンに消えて魔石が現れるのを待つだけだ。


「う~ん、もっと深く刺さんないかな? 結構力を入れているんだけどね」


「お嬢ちゃんはまだまだ非力なんだよ、それでもなぁD級にしては上等じゃねぇか」


「そうだぜ、ちゃんとダメージを与えているからハンマーを打ち下ろす時に反撃を貰わなくて済んでいるんだからな」


 前を歩く三人は戦うたびに反省会をしたりして忙しそうにしているが、こっちは後から襲われる事は一度も無いので暇で仕方がない。


 ミノタウロスの攻撃の仕方はどの個体もほぼ同じなので回数をこなすごとに三人の連携はスムーズになって行くが、どうしても急に出現するので移動は慎重になっている。


 その後も何度かミノタウロスとの戦闘があったが、半日も歩いている内に出てくる魔物はクローラーと言う50cmほどの少し大きな百足型の魔物に変わってしまった。


「おっまたかよ」


「ひぃぃぃ~何でまたぐのよ、潰してくれたらいいじゃない」


「そりゃよ、お嬢ちゃんがいちいち悲鳴を上げるのが面白いからに決まっているだろ」


(あっ馬鹿だ、そうだろうと思っていたけどそれを口にしたらどうなるのか分かんないのかね)


 ヘンリクが楽しそうに笑っているとジールがその大きな尻を何度も蹴飛ばしている。ヘンリクはまるで気にしないでそのまま進んでいたが、角を曲がった途端に振り返りジールとヨモギの手を取って後ろに下がって来た。


「ちょっと旦那、そんな勢いで戻て来たらああっ」


 狭い通路を三人が固まって戻ってくるからハルも押し戻されゲルトも同じようになりそのままぶつかって来たので俺だけが押し倒されてしまった。


「何しているんだよ、遊んでいい場所じゃないだろ」


「た・の・む・か・ら・し・ず・か・に」


 どの口が言うのかと文句を言いたいが仕方がなくもっと後ろに下がると二つの曲がり角を曲がった時にようやく止まるように言ってきた。


「一体何なんだよ、もう説明してくれるんだろ」


「あぁ実はな、あの曲がり角をを曲がると広い部屋が見えたんだ」


「別にそんな事は想定内でしょうが」


「最後まで話を聞けよおっさん、いいかその中にはミノタウロスがうじゃうじゃいたんだぞ、もしかしたら50はいたかもな」


 その数と戦うと言うのなら一体ずつ通路におびき出したとして上手く交代出来ないと戦っている者達は疲れてしまうだろうし、その部屋に入るのはもっと愚策だろう、


(クローラーしかいなくなったと思ったらこれか、随分といやらしい罠だな……んっそうでもないか、罠なら隠れているだろしな、まぁだったら上みたいに……上手くいく訳ないか)


 周囲を警戒しながらその場所をどうやって攻略するのか話し合ったが未だに答えが出ないままだ。


「やはり無理じゃねぇか、もっと人数がいねぇとな」


「そうなると43層が復活してるかも知れぇですよ、元に戻っていたとしたら……」


「ちょっといいかな、戻るのは良いんだけどちょっと試したいんだよね」


「また上の階みたいにするっているのか」


「だからあれは俺の魔法だけが原因じゃないって言っただろ、そうじゃなくて跳弾を利用するのさ」


「跳弾? 何だそれ」


「あぁそうだな跳ね返りかな」

 

 それなりに威力を込めた【雷銃】は解除しなければその込められた魔力を使い果たすまで跳ね返りを続ける。


 ヘンリクが見た場所が本当に部屋だとしたら上手くいく可能性がありそうだ。


(駄目なら諦めて貰うしかないな、俺としてはそれでも良いんだけどね)


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