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第七十七話 いよいよ41層へ

「前も思ったけど40層には何で冒険者の姿が無いんだ?」


「そうだな、今までは此処が最下層だったんだろ冒険者が採掘していてもおかしくねぇのにな」


「ちょっと待ってくださいよ旦那方、ちゃんと理解してねぇなぁ」


 この階層の魔物はずっとジールが一人で対応しているので、暇を持て余した俺とヘンリクが話しているとゲルトが馬鹿にしたように話に割り込んできた。


「どういう事なんだい、教えて欲しいんだけどやはり情報料が必要なのかな」


「そんな事をしたらギルド長に後でどやされるから要りませんって、いいですかい、極まれに階段を使ってくる魔物がいるじゃねぇでしょ、今のところは41層から上がって来た例はないんですがいつ最初の奴が来るか分からないからいないんだ」


「「あ~~~~~~」」


 ゲルトの言葉を聞いた途端に俺とヘンリクは思わず声を揃えて声を上げてしまった。


「だったらよあの連携は此処でやれば良かったじゃねぇか」


「そうだね、それを知っていたらあんな目に合う事なんてなかったのにさ、勘弁してくれよ」


「どんな理由で魔法障壁が必要なのか言わなかった旦那方が悪いんじゃねぇですかい、あっしはねぇ報酬がいいから参加しただけなんです。それなのによぉ……」


 駄々をこねなければかなりの大金を狙えるはずだったがそれが見込めなくなったのはゲルトのせいだから同情は出来ない。


 それよりも何人も死者が出ているのに少ない人数で45層を目指すパーティに入ろうと思ったゲルトはよく参加しようと思ったものだ。


「ねぇ暇ならここでもう一度練習して見ればいいじゃない、ハルもヨモギもいるんだからさ」


「そうだな、次に魔物が現れたらやってみようか」


「それはいい考えとは言えねぇですぜ」


 ゲルトは頭をポリポリ掻きながら説明を始めると、どうやらあの障壁は何度も使用できるものではないそうだ。


 障壁自体にダメージがあるとその分魔力を消費するので実験をするなら此処で限界まで使用してからまた地上に戻って完全に回復した方が無難らしい。


「聞いてねぇぞ、いいか俺が頼んだアイナだったら何度も使えるんだぞ」


「そいつの事は知らねぇけどよ、只の障壁で良いって言うのならこんな事は言わねぇさ、旦那方が必要なのは魔法障壁だろ魔力の消費が多いに決まっているだろうが……まぁだけどよ、ユウの旦那だってそう何度もあんな魔法を撃ったりは出来ねぇよな、それよりは出せるだろうから安心するんだね、あっしが言いたかったのは無駄な事は止めようぜって事なんだよ」


(何度持っていうけどこっちは何十回魔法を使っても大丈夫なんだけどな、そんなに普通の人間は魔力が少ないのか?)


 魔力回復薬などは誰も持っていないのでゲルトに従って練習する事は止めにして魔法を使わない練習だけにとどめた。


 それまではジールが主に討伐をしてヘンリクがたまに参加するだけだったが、最後尾でやる事が無いヨモギにも我慢の限界か来たようだ。


「俺にもやらしてくれよ」


「分かったよ、お嬢ちゃんとヨモギは場所を交代だ」


 華麗なランス捌きでリングボアを貫いていくジールに対してヨモギは大ぶりなハンマーを振り下ろしてボアを潰していく。そのハンマーは肉叩き棒のように突起物があるので潰されたボアはダンジョンに吸収される前はミンチ肉の様になっている。


「えげつない武器を使うんだね」


「そうかな、けどねここには魔獣がいないからそう思うかも知れないけど、もし魔獣がいたら倒すと直ぐに食べられるから便利だぜ」


「ねぇねぇそれって生で食べるの?」


「当たり前だろ、魔獣は生が一番おいしいんだ」


 ジールも俺もその言動に引いてしまっているし同じドワーフであるハルも眉間に皺を寄せているが、ヘンリクとゲルトは何にも気にしていないようだ。


 この世界には寄生虫がいるのかいないのか知らないがどちらにせよ俺は魔獣を生では食べたくない。



 ◇◇◇



 遊びの様な40層を歩き終え、いよいよ41層に入る事になった。43層の途中までは地図があるのでそこまでは最短距離で進む事が出来る。


 足を踏み入れた41層はそのなかに小川が流れている。


「小さな川だけど本当に流れているんだな」


「ユウ、あまり近づくなよ、その中にはワニノコがいるんだからな」


 名前は可愛らしいが二つの頭を持った鰐の魔物で、不用意に小川に近づいた冒険者が食い殺されている。


「おいっ奴がいるぞ……何だあれは」


 重低音の足音が聞こえてきたと思ったら巨大なワニノコが向かって来ていて何故かその上には斧を持って腕を組んでいるミノタウロスが立っている。


 ワニノコは大きすぎる切れ長の目と太くて長い牙を生やしているし、ミノタウロスは悪魔の様な角と膨張しすぎた筋肉の固まりの様な牛頭人体の姿をしている。


「準備に入ってくれよ」


「おおさ、任しときな」


 前を向いて杖を構えていると後ろからそっと肩を叩かれたので準備が済んだのだろう。


(怖さはワイバーンより上だな、これで【雷銃】が効かなかったら撤退したいな、こいつが簡単に倒せない様なら上位種の相手は無理に決まっている)


 緊張で激しく心臓が鼓動を奏でるので深呼吸をしながら身体の中の魔力を杖の先に集めた。





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