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第七十六話 揉め事

 実験の成果が気になってしまったのでリングボアに当たっても魔法を解除するのを忘れてしまった。あの魔物程度では【雷銃】が弱まる事がほとんどなかったようでダンジョンの遥か先まで行ってしまったようだ。


 天井付近を通過してくれたので直接的な被害は出なかったのだが鼓膜が破れてしまった者や慣れない音で頭痛がしてしまった者がかなり出てしまっている。


 謝ると同時に買い置きしてある回復薬を飲んで貰ったのでこれで一件落着……とはなる訳が無い。


 結局俺達だけがダンジョンから出されるだけでなく体調不良を起こした者達も今日の仕事を止める事になったので損害賠償と言う形で支払う羽目になってしまった。


 余りの高額だったためにその件についてアキムに相談にのって貰っている。


「まぁ余り気にするな、奴らは興奮しているから多額の額を言ってきただけだから俺がちゃんと間に入って適正な金額にしてやるからよ、まぁミノタウロスの魔石を2~3もってこれば充分じゃねぇか、それよりよゲルトの奴はどうだったんだ?」


「はい、ゲルトは問題ありません。これであの問題は解決できましたが、魔法がミノタウロスに通用するのかは分かりません」


「ワイバーンを落としたんだろ、だったら問題はないはずさ」


 これまでは敬語と普通の言葉で会話をしていたが今回の事で負い目がある為に全てが敬語になってしまった。


 アキムのおかげで一時はダンジョンに出入禁止にしろとまで言われてしまったがそれも回避できたのでこれは仕方のない事だろう。


 少し心に憂いが残るがそれでも最終打ち合わせの為にみんなが集まっている食堂に行くと何やらジールとヘンリクの様子がおかしく見える。


「どうかした? あの事はギルド長が間に入ってくれたから解決したようなもんだよ」


「そっちの話は心配なんかしてねぇさ、それよりもゲルドのおっさんが問題なんだ」


「んっ? 実験は上手くいったじゃないか」


「だからなのよ、ゲルトが自分の重要性を知ったから分け前を増やせって言い出してね、それでヘンリクと大揉めになって出て行ったのよ」


「うわぁマジかよ」


 一つの問題が解決したのにまた問題が出てしまった。そうなるとまたしても代わりの人を探さなくてはいけないが、魔法障壁を使える者は魔獣や魔物相手の冒険者の中にはあまりいない。



 ◇◇◇



「これで許してやってくれ、いいか」


「ん~どうかな、おっさんよ本当にその条件で良いんだな」


「あぁもうあんな馬鹿な事は言わねぇから頼むよ旦那、でねぇと無期限の資格停止になっちまうんだよ」


 あの中で冷静に話を聞いていたハルは店主であるザワンにその事を告げると烈火のごとく怒り出してアキムの元に怒鳴り込みにいった。


 結局はザワンも41層から下に埋まっている鉱石が気になっていたからこれ以上遅れる事は嫌だったからだ。


 アキムはゲルドとの間に正式な契約書を交わしてあるのでゲルドに対して文句があるのなら処分を与えると告げた。


 無期限の資格停止処分は実質の冒険者廃業を意味するのでゲルトは白旗を上げるしか選択肢はない。


 ゲルトに出された新たな条件は45層をクリアしたら無期限の資格停止は無かったことになる事と、いくら魔物を討伐しても魔石の分配はされずただ最低限の日当のみ支払われるというかなり厳しい処分になっている。


(随分と重い処分だな、それだけ重要だって事か……簡単に諦める訳にはいかない気がしてきたな、それに46層に続く階段があったら嫌なんだけど)


「もういいからさ、一緒に行こうか」


「有難うございます旦那、ヘンリクの旦那もいいですかい」


「分かったよ、ただのその旦那って言い方は気になるがな」


「良いじゃねぇですかい、さぁダンジョンに向かいましょうや」


 ゲルトのせいで無駄な時間を過ごしてしまったがそれでもどうにか本来の目的に向かって進む事が出来そうだ。


 パーティのフォーメーションは先頭をヘンリクで次に俺、ゲルト、ジール、ハル、ヨモギとなっている。 


 魔法が必要ない魔物に対してはヘンリクが盾となりその補佐としてゲルトとジールが戦闘して、ミノタウロスを発見した場合はヘンリクと俺が入れ替わって直ぐにゲルトが障壁を張る事になっている。


 出来ればこの立ち位置の練習をやりたかったが前みたいに睨まれたくないし時間も勿体ないので41層で試すしかない。



 ◇◇◇



 いよいよ本番当日になると想像以上の荷物を背負ったハルがダンジョンの前で待っていた。


「随分と凄い荷物だね? それで行くつもりなのか?」


「僕は戦闘員じゃないから荷物を持ちますけど、それよりユウさんが少なすぎませんか」


「あぁそうか、今までは秘密にしていたんだけど実はね……」


 今までは最大で5日分の食料を背負っていたけど今回は何があるか分からないので2週間分を用意しなくてはいけない。


 その為にマジックバックがある事をパーティに仲間に教える事にした。普通の冒険者がこれを持っているのは変なのであまり言いたくは無かったが今回は言うしかない。ハルにも討伐の補佐をして貰わないといけない事が起きそうだからだ。


「まぁお前には色々あるわな、まぁこれで全員が動けるようになったって事か」


 先ずは40層にまで一気に転移魔道具て飛んで行くことになった。



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