彼と今日はおうちでデート
付き合って一年なのにまだ家来たことなかったよね。
さあ、入って。あんまりきれいじゃないけど…
好きなとこ座って。飲み物取ってくるから待ってて。
はいどうぞ。美味しいアイスティーよ。
家にきてくれたのはいいんだけどさ、うち何もないからさ何しようか?
え?面白い話をしろ?そんな無茶ぶりしないでよ。
うーん、そうねえ。あ、一個だけあったわ。面白い話じゃないんだけどね、友達から聞いた話!
数年前の話だったかな?加藤君っていう友達がいたんだけどその子から聞いた話なんだけどね。
加藤君には彼女がいたの。優しくて、可愛くて、頭も良くて可愛いまるで私のような彼女がいたの。
…ねえ!つっこんでよ!
でね、加藤君がその彼女と普通の付き合いをしていたんだけどね。ある日、彼女とデートでランチに行ったの。彼女が荷物を置いてトイレに行ってしまった。
その時加藤君は迷いながら中身を見ようと思った。好奇心ってやつね。そしたらスマホが見つかった。個人情報の宝庫でだからさ、もしパスワードがかかってなければ見ちゃえそう思ったらしいわ。パスワードはかかっておらず中身を見た。連絡先に浮気の情報もなくそっと胸をなでおろした。そのままカメラのフォルダーを見つけて中身を見たの。そしたら-中には…人間の死体などの大量のグロ画像があったの。
怖くない?怖いでしょ?
でもまだこの話には続きがあるの。
でね、彼女がトイレから戻って来たから元の位置にスマホを戻したのね。でも加藤君はミスを犯したの。スマホの向きが逆に戻したの。彼女はそれに気が付いたの。
スマホ見たでしょ?
い、いや見てないよ
その慌て方だと画像みたんだ。趣味なの今夜一緒にホラー映画見ない?レンタルしてあるから。
加藤君は怒られなくて安心していたの。馬鹿よね。
そうしてそのまま楽しい時間が過ぎて夜になったの。二人同じ部屋でホラー映画鑑賞。…とはならなかったわ。
彼女は飲み物を加藤君に渡してDVDを入れて再生させたの十分くらい経ってから加藤君は眠くなってきたの。
あ、効いてきたんだ。あんなの見られたら消すしかないよね?
それから加藤君を見たものはいないっていうお話。
どう?面白かった?
え?オチ?うーん。死んだんじゃない?あのグロ画像は彼女の殺害コレクション☆なんちゃって。
え?本当にあった話なのかって?もちろん。私と加藤君は元は親密な関係だったもの。
どうしたの?その表情?そんなこわばっちゃって。逃げても無駄だよ。
なんで死んだはずの加藤君の話を私が知ってるのか?さっきの紅茶に何入れたか?
気づくの遅いね。え?なんでそんなことするのかって?
ヤりたいからに決まってんじゃん。ねえ。どんな気持ち?信頼していた相手に襲われて殺される気分は?睡眠薬が効いて頭に入らないかな?
もう!紅茶こぼさないでよ。片付け面倒くさいんだから。まあ、それよりも紅いものの処理の方が面倒くさいんだけどね。
君は私のもの。永遠にね。愛してるよ十三番目の犠牲者さん♡
少し短いのが不安です。コンテストでの重点が耳で聞きたいってことなので、同音異義語のトリック作品にしようか迷いましたが、そっちは良いアイデアが思いつきませんでした。
一人対談形式にすれば視点を置き換えれるのがいいかなあ。と思って執筆しました。
よろしければ評価の方お願いします。