アテナ―希望をもたらす者―
ある日、ノーブルに住む木こりのクレイは、仕事帰りに通った谷で生まれて間もない赤ん坊の女の子を見つける。妻と息子の3人暮らしのクレイの家は、決して裕福ではなく、息子1人を育てるだけでも手一杯だった。だが、心優しいクレイは、この哀れな赤ん坊を見捨てることが出来ず、家に連れ帰ることにした。それからの生活はそれまで以上の経済苦に見舞われたが、それでも、慎ましくも幸せな家庭を築いていた。そんなクレイの右手の小指には、いつも赤い宝石が埋め込まれた、古い指輪が光っていた。
序章
2020/06/11 12:34
(改)