003 あんよ。
ガジ・・・ガジ・・・ ムニャ・・・・
「んっ・・・ んぅん?」
なんか、腕・・・チクチク・・・ビチョビチョ・・・?
「のっ!?」
(あ、あそっか、ここ地獄で・・・
うち、コマちゃんと一緒に・・・
良かった・・・ 夢や、なかってんな・・・。)
地獄で初めて目覚めた朝は
キバが腕にめり込むちょっとした痛みと
ヨダレでビチョっとした、なんとも言えない感触で始まった。
「の、のなにゃん・・・」
(キバ刺さってるってば、ヨダレも・・・あぁー ><。)
(お? 起きたのかー? コノハ?
おはよう! パパだぞー! 乙!)
(あっ おとん! おはよぅ!
えっと・・・おつ?)
(ははははw いいぞー! 乙!)
ノッシ・・・ ノッシ・・・ ノッシ・・・
「はっはっはw
相変わらずコマは、寝相がコマだな。
痛くなかったか? 減ってないか? 腕?」
(うん、減ってないっぽい。)
「ほー、丈夫だな?
普通なら砕けて食べられててもおかしくないんだがな?
コマの甘噛みは。」
(そうなん? うちは大丈夫やったみたい。)
「そうかそうか。
コノハはどうも言葉を話すの慣れないようだな?
オレには構わんが、コマや他の地獄の住人たちは
あんまりそういったコミュニケーション方法をしないから
頑張って話しても聞いてもらえなかったりするから
覚えとくといいぞ?」
(そういや、コマちゃんにもあんま上手に伝えれへんかったかも?
うち下手なん?)
「あー、いや、ほとんどのヤツはこうやって口で声を出して話すんだ。
コノハが上手に伝えても、話しかけられてる事すら気づかないのが普通なんだ。」
(ふーーん。 じゃ、うちも声で話せるようになった方がええん?)
「覚えといて損はないと思うぞ?
もっと強いエネルギーで無理やり伝えたりもできると思うが
びっくりさせちゃうだろうしな。」
「なーるーほーどー。」
「そう、それだ、うまいぞー!
よっと・・・」
ピピッ!
おとんはコマちゃんの口を開かせてうちの腕からはがして
例の機械でビチャビチャになってたうちの腕や
コマちゃんの顔とかを綺麗にしてくれた。
「のれ・・・何なん?」
「これはアナライザっていって
トイレとお風呂と洗濯機みたいなもんだぞー。
あと、毒とか身体に合わないもの食べちまった時とかに
分解できたりもするし、まぁ便利なヤツだ!
600Hellzだからコノハにも使えるぞ?」
「な、なるる・・・ よぉわからへんw」
「まぁ、あとで使い方を教えてやるよ。
原理なんか分からなくても使えるし
分かるヤツなんかほとんどいないから
使い方さえ覚えれば大丈夫だっ!
それより、どうだ?
今日は動けそうか? 起き上がれたりしないか?」
「ぬっ! ぬぬぬーーーーーーーんっ!!!」
「おお、昨日よりちょっと動けるな? 偉いぞー。
とはいえ、それじゃぁ実用範囲外だな。
コノハ、それ腕だと思わないでフォークだと思ったら動かんか?」
「ノォーク?
・・・・あぁ!」
コノハは自分の身体を起こそうと右腕を動かしてベッドを押した。
今まで散々重たくて動けなかったので、ちょっと頑張って押した。
ドンッ! ゴロゴロゴロ・・・・ ドシャッ!!!
その結果、押しが強過ぎたらしくゴロゴロと横回転を始め
布団を巻き込み、コマちゃんを巻き込み
2人絡まった状態でベッドから落っこちた。
「ありゃ・・・?!」
「ななッ?! 雪崩かっ! なだれじゃな?!!
余のスノボはどこ・・・ ん?!」
「あ、コマちゃん・・・ えへへ・・・ おつ。」
「お・・・?
Oh~♪ 我が妹ではないかっ!
そうじゃそうじゃ! そうじゃった!
あぁーー じゃが、なんじゃ? 惨状は?
ひょっとして、朝一で出たのか?
“ 妖怪 ドジッコノハ ” がっ!!!
うーははははw おーーーつッ♪」
「ぅッ・・・・」
(だ、誰が妖怪やぁ・・・
反論できへんけど・・・)
「コマも起きたかー? おはよう! おぉぉーーつッ!!!」
「おぉーつッ!
父上もおったか!
うむ! いつになく楽しい朝じゃな!!」
「ああ、これからはずっと3人一緒だ。」
「へへへっ♪」
「コノハ? ちょっと失敗したようだが
どうやら今までとは逆に軽かったってトコか?」
「の、そうかも??? ・・・んしょ。 ・・・しょっと。」
「お・・・おぉぉ?
・・・珍妙か? ロボか?」
「まずは好きにさせてみよう。
とりあえず動けるようだしな。」
コノハは仰向けに寝た状態からまず上半身をスゥーっと起こし
その後上半身がそのまま上へと上がっていき
それに引っ張られて脚が上半身の下へと収まり
結果立ったっぽい姿勢になっていた。
「ふふーん♪ 立てた!! ぃぃっぇーぃ♪」
じぃぃぃぃぃ・・・・
「立った・・・のか?」
ややドヤった顔のコノハの脚に、どうにも納得いかない
コマちゃんはマジマジ見た後、横からこついた。
ペシッ・・・
ブラーン ブラーン ・・・・
コノハの腰から上はそのまま動かず
太ももから下が吊り下げられたサンドバックよろしく
振り子のように揺れた。両足そろって。
「浮いておるな?」
「浮いてるな?」
「「 んんんん~~。 」」
「な、あれ? うち、なんか変やった???」
「我が妹は何者だったのじゃ?
人でもなければ鳥でもないであろう・・・これは?」
「んんー・・・ 見た事ない動きだな??
オレの愛は消えんが・・・
若干キモイな!w」
「がッ・・・がぁーーーーーーーんッ?!」
(へ? どゆこと? うち、やらかしたん?
え? だってちゃんと立ったで?
何? 脚があかんかったん? 立つって・・・ナニッ!????)
ピピピッ・・・・
「質量は50kgか・・・
一晩で1kg太ったみたいだが、そのままだな?
要するに50kgの身体を浮かせてるって事だな。」
(へッ??? 50? 嘘? うち太ったん?!)
「確かに脚も重かったが・・・
どうせなら少しは軽くして浮いた方が楽ではないか???
逆風でもあるまいし。余なら10kgぐらいにはするぞ?
余の妹は、凄いのか、阿呆なのか・・・どっちじゃ?」
(へ? 軽くなって浮くのが正解なん??
へ? 軽くなるって、どうするんだっけ???
へ? へ? へ?)
「あー、コノハ、焦ることはないぞー?
なまりと一緒でちょっと個性的でコノハらしいだけだから
なんにも恥ずかしい事も、ダメな事もないからなー?
それに重たいままの方が安定してていいんだぞー?
大変じゃなければ、だがな?
できそうなら、ちょっと移動してみてくれるかー?
できるかー?」
「ぬ、ぬん・・・」
(移動は・・・移動やんな?
これは、他に選択肢なんてないやんな???)
ススーーーーーーーーーーーーッ・・・・・
「うははははw やはりじゃw
これは余にも予想できたぞ?
予想外だったのは、手や足がプラプラのままじゃった事くらいかのw
じゃが、そこがまた・・・
ぷぷw キモぃのぉwww」
(がぁーーーーん・・・)
「上半身と顔あたりしか自分の身体って認識がないのか?
肩から先や、お腹あたりから下は、引っ張られて
ついてってるだけみたいだな。
歩くって事自体、知らんのかもな?」
「ぷっw」
(え・・・ だって、移動するって・・・
え? 他にどんな方法が・・・
あっ・・・ そういやおとん、なんかノッシノッシしてたな?
え? でも、何? あれ?
脚動かして・・・ん? なんで脚をわざわざ?!?!?!?!?!
あ? 歩く???)
「あー、コノハ! 気にしなくていいぞー!
確かにわざわざ足で地面を蹴って進むなんてのは
コノハからしたら馬鹿みたいに思えると
パパも思うから安心しろー?」
「だ、だよね????」
「だが、ほとんどのヤツは
物や身体を手も触れずに空中に浮かせたりできないんだ。
だから、仕方なく地面に落ちた状態になる訳なんだが
その状態で進もうとすると、こうなっちまうのが大多数って事なんだ。」
ノッシ ノッシ ノッシ ・・・
「だがまぁ、パパやコマくらい鍛えてるヤツなら
同じように飛んだりできるけどな?」
スイィィーーーーーーーッ!
「あっ! なんや、できるんやん!
そっちのが楽やろ? なんでわざわざ“歩く”してるん??」
「楽さ加減はどっちもどっちだが
まぁ、クセみたいなもんだな。
あとは他のヤツがいちいちびっくりするから
めんどくさいのもあるかもな?」
「ぬーーーん・・・。」
「コノハコノハ!
どうせならこうじゃ!
こう飛べ!」
シュイーーーーーーーーンッ!!!
コマちゃんはなんか腕を斜め下に広げて
脚は片方をちょっと曲げたようなカッコで顔を上げて
頭から進む感じ?で・・・移動してみせてくれた。
(え・・・ なんでそのカッコなん?
めんどくない?)
「基本中の基本じゃ!!」
「はっはっはっw
確かに大変かもしれんが
カッコイイ方がいいだろ?
コマにとってはあのポーズが一番かっこいいって事だ。
移動するにも、それを楽しみながらするのが大事だぞ?」
「なっこいい・・・ 楽しむ・・・
なるるるる。」
グニン・・・ クネン・・・ ブラーン・・・
「ああ、待ってろ、鏡出してやる。」
パチンっ! ボンっ!
どんな動きをしてるんか確かめるために
うちは鏡を覗き込んだ・・・
チラッ・・・・
「へ・・・・? えっと・・・?
鏡って、自分が映るんだったよね??」
「ぷふw」
(え、じゃぁ・・・
こッ、これが・・・ うちッ????)
どっきぃーーーーん☆
(なにこれナニコレ?!?!
かわいくない? まじ? まじなん?
コマちゃんみたいな幼な可愛いのとはちゃうけど
これは、うん。 王道!
王道の少女の可愛さっていうか
あれや、なんか比喩の言葉とかもういらへん級のあれ・・・
“ 美少女 ”やっ!!!! )
ぽっかぁーーーーーーーーーーーーん・・・・
「ふっふっふっふっふ♪
可愛かろぉぉーーー?
これが余の自慢の妹のコノハじゃッッ!
分かるか? この愛くるしさが?
コノハにも分かるか?」
「ぬんぬんぬんぬんッ!!!」
「伊達に24日もかけておらぬのぉ!
さすがレコードホルダー、天晴じゃ!」
「ミス地獄だな!
あ、いや、ミスかわいいならコマか。
ミス綺麗可愛いならコノハ・・・
いや、どっちもあの世一だなッ!!!
うははははw 眼福乙!!!」
「くっ・・・
余が1位から1位タイになったのはつまらぬが・・・
いや、しかし、この姿を見てしまっては
1位タイも納得せぬわけにはいかぬか・・・」
ぽっけーーーーーーーーーー・・・
「あー・・・コノハよ?
3日3晩見続けた余が言うのもなんじゃが
見惚れるのはそのくらいにして
その可愛らしい姿で、もう一度
鏡を見ながら移動してみてくれぬかー?」
「はっ・・・!
あ、うんうん。 おっけー・・・。」
ススゥーーーーーーーーーーー・・・
「あぁぁ・・・
うん・・・・・・・・キモぃ。」
「ぶっはははははwww じゃろう???
そういう事じゃ!
効率を捨ててでも求める何かがそこにあろう?!
そんな移動方法など、コノハが許しても余が許さぬぞ????」
「の、同感や・・・コマちゃん・・・。」
「あ、じゃが待てよ?
余的には最初、若干ガサツなそのなまり言葉も
ややもったいない気もしておったのじゃが
おかしなもので、だんだんそこが良い気もしてきたしのぉ?
その動きも慣れるのかもしれぬな?
コノハ的にはどうなのじゃー?
その美貌でその言葉、その動き・・・
そういった感じが好きなのか?」
「んー・・・
動き方は、うちも嫌やで?」
じぃぃぃぃー・・・
(ん~ 言葉かぁ・・・
そもそも、声自体がめんどいんよなぁ・・・
でも、おねーちゃんみたいなのよりは似合ってる気はするかな?
余がコノハじゃー!
・・・とか、この鏡の中の子にはゆうて欲しくない事ない?)
「余はこれで良いのじゃ!
余のこの偉大な姿には
これぐらい威厳のある言葉が不可欠じゃからな!」
(なるるる、そうかも。
コマちゃんっぽくて可愛いんは確かやな。
うちも好きやし。)
「そういうことじゃ!
まぁ、100年も生きるころにはキャラも立ってくるであろ!」
(100年かぁ・・・ ちょとピンときぃへんかな?
コマちゃんおねーちゃんはそれくらいキャラ研究?してるん?)
「それくらいは余裕じゃな?
いちいち計測しておらぬし、何を基準にして話して良いか分からぬが
部屋の外の時間でなら1000年とかかもしれぬのぉ?
じゃが、ここで父上と過ごした時間なら
やっと1年くらいじゃから、1年程度と言えるかもしれぬがな?」
(ふーーーん、なんかややこしくてよぉ分からへんけど・・・
あ、気になっててんけど、昨日出かけたのって
何時間くらい出かけてたん?)
「ん? 深層の龍の所か?
あれは、そうじゃな・・・
1週間くらいではないか?
あの龍、なかなか楽しいヤツじゃったからな!
一緒に過ごしていろいろと互いを高めあってきたのじゃ。
そうじゃ!
紹介してやるから今度コノハも来るが良い!
しっぽは斬ってしまったが、相変わらず吠えておるぞ!」
(い、1週間んッ?!)
「そうじゃぞ? 正確には測っておらぬし
1日が何時間だったかーとかも覚えておらぬがな?
あ、じゃが、70階層はコノハは行けぬか・・・
流石にちと下が108のコノハには酔いがキツ過ぎるじゃろうしのぉ。
むぅぅ、残念じゃ。」
(まじかぁ・・・)
「時間の長さなんかが気になるのなら、父上はどうだったのじゃ?
余の為に低階層の料理人の所へ料理修行に出た時は
随分長い期間習ってきたと言っておったが
今回の高階層での修業はもっと大変だったのではないか?」
「ああ、気合い入れてそこそこはマスターしてきたぞ?
これからずっとコノハに美味いもん食べさせたいからなぁ?
コマの時に料理の基本を覚えてたから
そこまでてこずらなかったんだが
あの階層クラスの料理はどこまでも奥深くて
マジリスペクトだったんだが
なんだかんだで2年くらいで切り上げてきた。
あと10年くらいいても
恐らくまだ覚える事は山程あると思うんだが
ぶっちゃけ料理の深淵なんて、きりがないし
オリジナリティーってもんも大事だろ?
それに、料理はやっぱりハートが大事だ!
娘たちを思うハートなら誰にも負けんからなっ!!!
うははははw」
「へ・・・?」
(え? うちのお誕生会の為に?
それだけの為に?
あの一瞬みたいだったあの間に????
1週間とか・・・2?・・・2年?!?!?
うちがちょっとびっくりしたり、嬉しいって感じる為に・・・?)
「当ー然じゃ!」
「娘の誕生日、しかも0歳の誕生日なんだ。
それくらいさせてくれ。
オレはお前の、パパなんだぞ??」
ニマッ♪ ニカッ♪
「ぅぅ・・・ッ」
(うち、そんなんなんも知らへんかった・・・
めっちゃ嬉しくて、幸せで、最高やったけど
そ、そんなんがあったなんて・・・)
ポタ・・・ポタポタ・・・
ススーーーー・・・・ 抱きっ・・・
「おとん・・・
んーん、パパ。
ありがとう・・・ 大好きっ・・・」
「ぅッ うぉぉ・・・ よっしゃぁぁああーーーッ!
ど、どうしてこうなった???
いいんだぞ? こんな事は当たり前だぞッ?!
親子・・・いや、オレはコノハを愛してるからな!
分かるか? コノハのその気持ちとその顔が
パパを今、どれだけ幸せにしてるか。
この瞬間で逆におつりを渡さんといかんくらいだ。
コノハ・・・
パパも、コノハを愛してるぞ。」
チュッ・・・
おとんはおでこにチューしてくれた。
「ぅぅ・・・」(////)
ススーーーーーッ 抱きっ・・・
「コマちゃんも、ありがとう。
大好きっ。」
ずっきゅーーーーん☆
「くはぁぁッ・・・・
たまらぬッ! これはたまらぬぞッ 父上?!
おつりじゃと? 馬鹿をいうでない!
余は、余は・・・
余はコノハにならこの世界を譲っても良いぞ?!
だめじゃ、キュン死・・・キュン死してしまう・・・」
「お、大袈裟だよ・・・コマちゃん (////)」
「馬鹿者ぉ・・・
大袈裟でも比喩でもなんでもないわ。
余は末期の中二ではないのじゃぞ?
それに大袈裟なのはコノハのその漏れた水の方じゃ!
また、盛大に漏れておるではないか!
その涙腺の弱さは計算ではあるまいな?
まぁ・・・そんな水などなくともコノハのその“ 気 ”が
余をメロメロのキュンキュンにしてしまうようじゃがな。」
むぎゅぅぅーーー
「ぁ・・・ また出てた・・・
なんかすぐ涙出ちゃうな・・・
でも、今日のこれも、うちは、これで・・・」
「まぁ、良い。
少々調子が狂うのは確かじゃが
そんなコノハも、余は気に入ってしまったようじゃしな。」
「のっか・・・良かった。」
◇ ◇ ◇
おとんとコマちゃんの裏話を聞いてめっちゃ感極まってもて
また、泣いてもーたんやけど
なんかやっぱ、泣くの、気持ち良かった。
ひょっとして、真白な記憶の頃は
こういう気持ちをいっぱい知りたかったのかなー・・・
なんて、ちょっと思った。
◇ ◇ ◇
その後ちょっと落ち着いてから
うちは、鏡の中のうちをなんかええ感じにしたくて
移動の仕方や、身体の動かし方を
あーでもない、こーでもないって感じでいろいろ試し続けた。
折角の美少女がキモムーブじゃ・・・ あかんねん!
「やる気は凄いのじゃが・・・
ナイフやフォークじゃな?」
「だな。 筋肉で関節を曲げるって発想がないんだろうな。」
「おもしろいのぉーー。
キモぃのー。
飽きぬのぉーーー。」
「だな。 たまらん。」
(うぅぅ・・・ なんか面白がって見てるぅぅ・・・
うちは真剣やねんで?!
どうやったら、この子に似合う可愛くて綺麗な・・・
あぁw でも、うちマジ綺麗♪ しあわせやーw
作ったうち! GJッ!!)
「3分に1回入るのろけもまた・・・」
「だな!」
(あぅ・・・)
「てか、コマ?
コマも段々コノハのテレパシーみたいなこれ
うまく聞き取れるようになってないか?」
「ん? ふむ?
まぁ、そうと分かっておれば、ちょっと集中すれば・・・
龍とか獣たちもそんな感じじゃしのぉ。」
「なるほどな。」
(うちが必死こいてるのにぃぃ・・・
あ、でも、筋肉を使ってってゆうてたな?
筋肉って・・・あちこちにある、これやんな?)
ふぬッ・・・ バーーーーンッ!!!
「ひぃぅッ?!?!」
「ぶはwww んぷぷぷぷw
み、見たか? 父上www
バーンじゃw バーンwww 腕がバーーンwwww」
「なんで、あのキモくてグロい動きに
オレはキュンとしてしまうんだろうな・・・?
オレは今、新しいオレを発見しているんじゃないか?
つまり地獄で何千年も過ごすより
この瞬間の方が有意義だって事だ・・・。
やべー・・・なんだこれ??」
「わ、笑いごとちゃうねんからなぁぁー?」(////)ぼん!
「ぐはッ・・・
ボケからの、その顔は・・・ 反則じゃ・・・
こ、これ以上のキュンは、キュンが・・・
致死量を・・・こ、超え・・・」
「コマぁぁ! しっかりしろーー!」
そんな小芝居を勝手にされながら
うちは今度は、筋肉を縮めたり緩めたりを始めてみた。
あと、浮かせるのをちょっと弱めてみた。
(なるほどや・・・
体重を脚に乗せるんやな?
で・・・ヒザを・・・?
これかな? ももの筋肉で・・・曲げる・・・そーっと。)
ズズズズーーー・・・・
「ぷふッwww」 「がんばれー!」
(ぅぅ・・・
そっか、上半身を固定してると足が滑るだけで前へ進めへんのやな?
えーっと? 身体固定せんと、いっそ全体重脚にのせた方がええんかな?
みんなそうしてるって事みたいやし・・・)
ぺしゃん・・・ どさっ・・・ ごろん・・・・ぷるぷるぷるぷる
(だ、だよねーー・・・;;)
「ぶッはwwww」 「大丈夫だ! 進歩してるぞ!」
(き、気にしたら負けや!
よし、最初はフリでいいや・・・
身体を進めて・・・脚は添えるだけ。
なんか地面を蹴ってる風に・・・)
ススー――・・・ テク・・・ テク・・・
「お???」 「いいぞー! ぽいぽい!!」
(これ? これいけてるんちゃう?)
スススススーーーーー テテテテテ~~~~!
「ぶはっww」 「いや、近づいてる! ちょっと雑だが発想はいいと思うぞ!!」
(うぅぅぅ・・・
確かに・・・脚の動き、うさんくさ・・・)
◇ ◇ ◇
そんなこんなで、はや6時間・・・
スタ スタ スタ ・・・・ ふふっ♪
「どやっ!!!」
「ふむ。良いのではないかぁ? 普通じゃ。
ドジッコノハっぽさはなくなってしまったがのぉ・・・」
(コマちゃんはなんかつまんなそうやけど
いつまでもおねーちゃんを笑わす為に歩いててもしゃーないやんな!
うん、うちは間違ってないはずや!)
「その通り! 流石パパの子だな!
まぁ、浮いてるって思って見たら浮いて見えるが
知らなきゃ歩いてるよう見えると思うぞ!!
がんばったな! 乙っ!!!!」
「いぃッよぉーーーーしっ!
あ、でも、疲れたぁぁ・・・
もうあかん・・・
おとーん・・・うちお腹減ったぁぁ。」
ペタン・・・
「おぅ! そう来ると思ってずーっと前から準備してあるぞ!
適当に出すから、好きなのを好きなだけ食べるといい!」
パチンッ! ズララララーーーーーー・・・・
(ぅわっ?!)
てか、おとんの指・・・どないなってるんやろか?
さすが大王様やな???
うちはでっかいテーブルとその上いっぱいに並べられた
ごちそうたちを見ながらそう思った。
「今日はがんばって自分で椅子に座ってみるか?」
「ぬん・・・せやな。」
スーーー・・・ テケ テケ テケ ・・・
ズズズーーー・・・ ふわり・・・ポフッ!
「いけたーーーーッ!!! んふふふふ♪ どやー♪」
コノハはよくやった。
歩いてる風に移動もしたし
椅子を引くときも実際は椅子を直接動かしたのだが
形だけでもちゃんと手を添えていた。
・・・が、最後は身体をふわりと持ち上げてふわりと椅子に乗った。
「うむ! 見事じゃ! そうでなくてはな!」
「あ、あぁ。 まぁ、これくらいがコノハらしいかもな?」
「ん・・・??」
その後のごはんは、ぶっちゃけ歩くより大変で
なんとかフォークを手に持った風にして食べてみんやけど・・・
(手って・・・なんでこんなにいっぱい無駄に筋肉とか関節とかあるんよ!!!)
きっとうちは、一生箸なんか使えへん・・・ マジで思った。