表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星雲戦記バトラーライツ  作者: 朝霧彩矢
2/10

第1話 ファーストスタート:明星晴彦





 西暦二〇一六年四月半ば。東京都のある場所に童洛(どうらく)市という街がある。その街には最近話題の人物がいた。

「『神出鬼没のヒーロー・シャドーバトラー 銀行強盗を確保』ねえ」

シャドーバトラー。正義の戦士を名乗り童洛市に起きる悪事を暴き阻止する人物。オリジナルのヒーロースーツとヘルメット型のマスクで素性は不明。警視庁の差し金と噂があるが詳細は一切誰も知らない。

「『一説では十代後半の少年とも言われている。』まさか」

ある日の朝、夫人はスマートフォンでシャドーバトラーのニュースを読んでいた。

「ホントに高校生だったらすごくしっかりした子なんでしょうねー。うちのとは大違い」

夫人の横でバタバタと身支度をしている男子高校生の息子が一人いる。

「母さん!なんで起こしてくれなかったんだよ!遅刻する!」

「なんども起こしたわよ。でも起きなかったじゃない」

明星晴彦(あきほしはるひこ)。この春高校生になった少年。今日が十六歳の誕生日である。

「いってきまーす!」

晴彦は家を出た。その慌てように夫人は、母は呆れている。

「もう、高校生なんだからしっかりしなさいっての。私もそろそろ仕事しないと」

晴彦の母が仕事の準備をし出すとつけっぱなしのテレビから古代遺跡のニュースが流れる。

『先週水曜日、六甲山にて新たにオルヴィ・テラ文明の古文書らしき書籍が発見されました。専門家によりますとオルヴィ・テラ文明は紀元前でもっとも古い地球最古の文明と言われ今回の発見は歴史的なものとされ――』

まだ誰も知るよしはなかった。この発見が地球の未来を左右するということを・・・



  ※



 童洛第一高校。晴彦の通う街の真ん中にある学校。制服は男子は学ランで女子は藍色のセーラー服に青いリボン。遅刻ギリギリで教室に入った晴彦は疲れて机に俯せになる。

「遅刻したら連続五回になることになってたなー」

「笑うなよ」

晴彦の親友、佐々木拓也は俯せの状態を見て笑う。

「おうい、今日お前と俺課題取りに行く係だぜ」

「ええー」

佐々木は晴彦を起こして連れて行く。とぼとぼと廊下を歩くはめになる。

「めんどくさー」

「しゃーないだろ。働け怠け者」

「佐々木くんの言う通りよ馬鹿」

職員室に向かう二人に声をかけたのはクラスの女子だ。

「うわあ、お前かよ」

大場セイラ。祖父をイギリス人に持つ暗めの金髪をお団子ヘアにした美少女。成績は優秀で性格は時々少し厳しい。晴彦に注意することが特に多く、その度に二人は犬猿の仲の光景を見せる。

「短絡的よ怠け者」

「うるさい!大場!今取りに行ってる最中だろ!」

セイラはそのまま立ち去る。その背を晴彦は睨む。

「堅物女め」

「大場さん良い子じゃん」

「それだけの女だろ?愛想もないし」

「俺は媚びてたり愛想笑いばっかの子よりデキる女って感じの子がいいよ。頭の良い淑女って感じで可愛いよな」

「可愛くねえよ」

「構ってもらえて嬉しいくせに」

「馬鹿!」

セイラが絡むと調子が狂う。だから晴彦は彼女が「嫌い」だ。



キーンコーンカーンコーン


放課後。学校での用件を終えると晴彦は帰宅のために校内の駐車場に向かう。いつも自転車で通学しているからだ。

「今日もみんなオルヴィ・テラとシャドーバトラーの話だったなー」

晴彦は内心シャドーバトラー、シャドーが羨ましかった。ヒーローになって悪事を阻止するのは痛快でかっこいいと思うからだ。

「ん?」

自転車を取ろうとすると、近くに落ちていた人形らしきものを見つける。拾ってみる。

「うわあ、すげえ汚れてる。これ、何で出来てるんだ」

人形は古い人間に近付けた容姿のものだった。黒い髪に赤い瞳で服はシンプルに白いシャツと茶色いスカートで靴も赤い。何故か可哀相に見える。

「・・・」

晴彦は近くの水道で人形を洗う。そしてホコリと砂を取り乾きやすいであろう場所に置いた。

「・・・誰かの忘れ物だよな。わかりやすい場所に置いてたらきっと持ち主が戻ってくるよ」

じゃあな。晴彦は用事を終わらせると自転車で帰っていった。

『・・・ミツケタワ。マチガイナイ』

人形は間違いなく晴彦を見ていた。



    ※



 「なんだったんだあの人形」

晴彦は自転車で商店街を通り抜けていく。人形のことが少し気になるが気味が悪いので正直忘れたい。両親と妹に誕生日を祝ってもらいたい。

そんな時、

「うわああ!あれはなんだ!」

「助けてー!」

向かう方向から聞き慣れない悲鳴が聞こえる。その原因は、商店街の出口にあるブランドショップからだった。

「シャア・・・シャア・・・」

「シュー」

見たこともないワニとヘビのような人と同じくらいの大きさの怪物がブランドを大きな布の袋に詰めていく。晴彦はそれを見て驚く。

「なんなんだコイツら?人間じゃないよね?」

作り物ではなく生物なのはわかる。怖い。二匹が何をしているかは知らないが震えが止まらない。店に居た人々はもう誰もいなくて晴彦だけがいる。怖いのに何故かに足が動かない。

「晴彦くん!・・・晴彦くん!」

誰かに呼ばれる。晴彦は自分を呼ぶ人物を見た。

「だ、誰だよ」

自分より年下であろう少女。驚くことに彼女は晴彦の見つけた人形と同じ服装で同じ容姿だ。

「君は・・・?」

「私の説明は後!これ使って!」

少女は晴彦に近付き、懐中時計のようなものを渡す。

「これ開いて針を十二時にして、『チェンジ・オープンライツ!』って鳴ったら『リミッター解除』って叫んで」

「なんでだよ!」

「いいから変身して戦って!」

「へ、変身?」

晴彦が言われた通りに渡されたものの針を十二時にすると、

『チェンジ・オープンライツ!』

「リミッター解除!」

叫んだ晴彦の身体が光に包まれる。そして、

「やっぱり、あなただったのね」

少女と怪物達は晴彦を見る。



甲冑のような真っ赤な戦闘服が全身を包む。完全防御された身体に頭にはヘルメットでもある仮面。そこには素顔を隠したヒーローがいた。

「な、何これ?変身したの!?シャドーみたい!」

晴彦は驚く。少女は支持する。

「とにかく、そこの二匹を倒すの。後で説明するから」

「う、うん。後でちゃんと話せよ!」

晴彦は怪物二匹に向かっていく。正直すごく怖いが何故か戦い方はわかるから動ける。剣を出して振るう。怪物らは倒れそしてとどめを決める。

「轟け炎の華!ファイアーシンフォニア!」

怪物二匹を一気に一刀両断する。跡形も無く消えた。

「・・・なんとかなった。なんだったんだあれ?」

「晴彦くん、よかったわ」

「なあ、君は誰なんだ?」

晴彦はようやく少女と話を始めた。

「私はトリシャ。あなたがさっき見つけた人形よ」

「ええっ!?嘘!」

「ほんとよ」

少女は先程の人形の本来の姿だった。

「じゃ、じゃあさ、俺今どうなってるの?この格好とかさっきの怪物は?」

少女、トリシャは言う。

「晴彦くん、あなたにやるべきことがあるの。今、世界が奴等に狙われているの」

「奴等?」

「奴等から世界を守るために戦って欲しいの」

「え?ええっ!?」

「あなたが戦うのよ。バトラーライツの一人、ライツ01(ゼロワン)としてね」

「ライツ01・・・?」


晴彦の十六歳の誕生日、この日からゆっくりと彼の運命は変わっていくのであった。




続く







〇登場人物紹介〇

 

明星晴彦(あきほしはるひこ)/ライツ01(ゼロワン)

好きなもの:カツ丼


学ラン着る時は下に赤いTシャツを見せるように着てます。髪色は黒茶色でちょいぼさぼさで短いです

当初名前は明星春好(あきおはるよし)になる予定でしたが、ロゴとか悪いし苗字で「あきお」はないなと考え今になります。典型的バカで怠け者で純粋な主人公です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ