「探偵所以、話します」
「私の家は刑事一家でね、お父さんもお母さんも上の兄二人も刑事の生粋の警察一家なんだ」
「ふへぇー(凄いですぅ)」
「父と母は今は県警勤務で、兄二人は今交番勤務。上の兄は今度昇格して巡査部長になるって言ってたかなぁ。まぁ、そんな家族だから私も将来は警察官、でしょ?だから昔から友達なんかは何かと私を頼って来たりしてて。なまじ親兄に小さな頃から鍛えられてたりもしたもんだから……頼られるのも嫌いじゃなかったし、それなりに何でもこなしてて……」
「(こくこく)」
「そんなある時ね、探し物を頼まれたのよ。何て事ない頼み事で直ぐにソレは見付ける事が出来たんだけど。で、まぁ見付けたソレをその子に渡した時に言われたの。私は警察官じゃなくて『探偵』っぽいって」
「探偵っぽい、ですか」
「まぁその子がその当時女探偵小説にはまってたってのもあるんだけど……私もね、刑事より探偵の方が性に合ってるって言うか」
「そうなのですか?」
「私、正義感らしい正義感ってないんだよね。警察ってさ、誰よりも何よりも法にのっとり市民のために働かないといけないって決まりがあるでしょ。それがね、少しだけ嫌っていうか」
「嫌なのですか?」
「うーんまぁ、嫌……というよりも荷が重いの方が言い方的にいいのかな。んー、それもまた違うような……とにかく、そんなんでその子が私の事を『探偵』って呼ぶのが学校に広まって、学校外でもこうやって徐々に広まっていったってわけ」
「探偵さんは有名なのよー」
「まぁ家族が家族だからなぁ、おまえさんとこは」
「(苦笑)探偵みたいに調査業務よりはこうやって何かを手伝ったりしてる事が多い、どちらかと言うと何でも屋みたいな事をしてるんだよ」
「そうなのですか(ほぅ)。それでも凄いのですよ、お姉さん」
「ありがとう」
「それにしても酷い荒らし様よねぇ。昨日はゴンさんとこの看板が一瞬にして綺麗になってたって言うし」
「今日はこの荒らし様……。ついにうちの町内でも怪奇現象が起こるとはなぁ。わくわくするぜっ」
「もぅ、アンタ!!……だけど、ゴンさんとこの良い怪奇現象ならいいけどこっちの悪戯妖精なら私は御免だよ。私らの所はまだ良いけどタニさん所はもう売り物にならないんだからね!」
「わ、悪りぃ悪りぃ」
「……(うーむ)」
「お姉さん、どうかしたですか?」
「んー、ねぇテテ。ランプの願いって私もう一度叶えて貰える事出来るかな?」
「出来ますですよ。ランプを擦って綺麗にして頂ければ」
「そっか。じゃあテテ、申し訳ないけどもう一度ランプ、汚れ落とさせてくれる?」
「良いのですが……お姉さん大丈夫ですか?」
「……(にっこり)」
続く