「ランプの汚れ、落とします」
「う、うっ、ひっく」
「(あ、あれは……)ねぇ!」
「うっ、ひっくっ、ひっく」
「……(なんかめっちゃ泣いてる)ねぇ、テテ、だっけ」
「うっく、ふぁ?……あ、昨日の……」
「良かった、また会えて。昨日お礼も言えずに何処かに消えてたから……大丈夫?どうかしたの?」
「うっ……おねいさーんっ!!」
「うおっ、とと……。え、何?」
「昨日お姉さんにランプの汚れ、少しだけですが綺麗にして頂いたと言うのに!それなのに!」
「う、うん」
「またこんなにランプに汚れがっ!!」
「うわっ!汚なっ!というか、昨日より汚れてない?」
「えーんっ、テテもう駄目ですー!!助けて下さいお姉さーーんっ!!」
「……(よし)分かった。昨日私も助けて貰ったし、助けてあげる」
「ほんとですかっ?」
「うん」
「じゃ、じゃあもう一度お姉さんのお願いを叶えさせて下さいっ。そしてランプの汚れを綺麗にして下さい!」
「(うっ……お、お願いかぁ)あ、あのさぁテテ。それってランプの汚れを擦って落とすだけじゃ駄目なの?お願い叶えなきゃ駄目?」
「何言ってるんですかっ!!願いを叶えなきゃトトさんが……っ!(はっ!)」
「トトって確か……ランプの魔人、だっけ?そのトトがどうかしたの?」
「う……、えと、あの……その」
「(言えない、のかなぁ……)分かった。じゃあお願い考えるよ」
「お姉さん……」
「んー……よし、決めた。じゃあランプ擦るね(こすこす)」
ボフッ
『やっハロー……ってあれ?昨日の奴じゃん』
「どーも」
『何だ何だ。願いの尽きない奴だな。あ、それとも俺に会いたくてとか?』
「……(こんなのがランプの魔人なんだもんなぁ。テテも苦労するよそりゃ)お願い叶えてよ。ランプの魔人」
『おーけーおーけー、何を叶えて欲しいんだ?何でも言ってみそ』
「そこの店の看板、綺麗に補修して欲しいの」
『看板んー?あぁ、あのボロボロのやつか』
「この間の台風でね、飛ばされちゃって。近くで発見はしたんだけどボロボロになっちゃってて。そこの店のおじいさん、老体だから自分では直すに直せなくて」
『成る程なぁ。んじゃま、いっちょやったるか』
パチンッ
「おー」
『簡単簡単』
「ありがと。一瞬だもんねぇ、凄い凄い」
『ふっふーん、そんなに褒めても願いはひと擦りに一つだぜ』
「あーそっかぁ残念ー(どうでも良いけど)。テテ、これで良かった?」
「あ、はいっ!ありがとうございま……あぁっ!?トトさんっ!!駄目ですっ!!」
『駄目じゃない駄目じゃない。じゃあなー』
ヒュンッ
「トトさっ……!!」
「……あらら、どっか行っちゃった(けど、願い叶えたらランプに戻るんじゃないんだね)」
「う……」
「テテ?」
「うわーーっん!!」
「て、テテ?」
「またランプが汚れちゃいますぅーーっ!!うわぁぁぁーーっん!」
「…………?(どういう事だ)」
続く