表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランプの魔神(会話劇)  作者: 葉月
枯れ木に花を、咲かせましょう
2/24

「ランプの汚れ、落とします」


「う、うっ、ひっく」

「(あ、あれは……)ねぇ!」

「うっ、ひっくっ、ひっく」

「……(なんかめっちゃ泣いてる)ねぇ、テテ、だっけ」

「うっく、ふぁ?……あ、昨日の……」

「良かった、また会えて。昨日お礼も言えずに何処かに消えてたから……大丈夫?どうかしたの?」

「うっ……おねいさーんっ!!」

「うおっ、とと……。え、何?」

「昨日お姉さんにランプの汚れ、少しだけですが綺麗にして頂いたと言うのに!それなのに!」

「う、うん」

「またこんなにランプに汚れがっ!!」

「うわっ!汚なっ!というか、昨日より汚れてない?」

「えーんっ、テテもう駄目ですー!!助けて下さいお姉さーーんっ!!」

「……(よし)分かった。昨日私も助けて貰ったし、助けてあげる」

「ほんとですかっ?」

「うん」

「じゃ、じゃあもう一度お姉さんのお願いを叶えさせて下さいっ。そしてランプの汚れを綺麗にして下さい!」

「(うっ……お、お願いかぁ)あ、あのさぁテテ。それってランプの汚れを擦って落とすだけじゃ駄目なの?お願い叶えなきゃ駄目?」

「何言ってるんですかっ!!願いを叶えなきゃトトさんが……っ!(はっ!)」

「トトって確か……ランプの魔人、だっけ?そのトトがどうかしたの?」

「う……、えと、あの……その」

「(言えない、のかなぁ……)分かった。じゃあお願い考えるよ」

「お姉さん……」

「んー……よし、決めた。じゃあランプ擦るね(こすこす)」


ボフッ


『やっハロー……ってあれ?昨日の奴じゃん』

「どーも」

『何だ何だ。願いの尽きない奴だな。あ、それとも俺に会いたくてとか?』

「……(こんなのがランプの魔人なんだもんなぁ。テテも苦労するよそりゃ)お願い叶えてよ。ランプの魔人」

『おーけーおーけー、何を叶えて欲しいんだ?何でも言ってみそ』

「そこの店の看板、綺麗に補修して欲しいの」

『看板んー?あぁ、あのボロボロのやつか』

「この間の台風でね、飛ばされちゃって。近くで発見はしたんだけどボロボロになっちゃってて。そこの店のおじいさん、老体だから自分では直すに直せなくて」

『成る程なぁ。んじゃま、いっちょやったるか』


パチンッ


「おー」

『簡単簡単』

「ありがと。一瞬だもんねぇ、凄い凄い」

『ふっふーん、そんなに褒めても願いはひと擦りに一つだぜ』

「あーそっかぁ残念ー(どうでも良いけど)。テテ、これで良かった?」

「あ、はいっ!ありがとうございま……あぁっ!?トトさんっ!!駄目ですっ!!」

『駄目じゃない駄目じゃない。じゃあなー』


ヒュンッ


「トトさっ……!!」

「……あらら、どっか行っちゃった(けど、願い叶えたらランプに戻るんじゃないんだね)」

「う……」

「テテ?」

「うわーーっん!!」

「て、テテ?」

「またランプが汚れちゃいますぅーーっ!!うわぁぁぁーーっん!」

「…………?(どういう事だ)」


続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ