「あるいはナニモノにもなりたがらない子供達」
『祈りの魔人はねぇ、無償なのよ。ただよタダ』
「祈り……は必ずしも叶えられる……ものじゃないから……」
『願いの魔人であるトトは神様の力を使って願いを叶えるけどぉ、私達祈りの魔人は願いを叶える力は持ってない。だから直接神様に願いを伝えて神様に叶えて貰うってわけ』
「だから……願いが百パーセント叶う訳じゃなくて……それは……神様、しだい……なの」
『ほぼほぼ叶えては下さるけどねぇ』
「そうなんだ」
「……(ランプの魔人にも色んな魔人がいるのかな)他にもいるの?ランプの魔人って」
『んー、まぁ私達は言わば隠れキャラだからぁ。存在自体知るのは稀なのよね』
「……叶うのが……不確定……そんなのよりは……百パーセント叶う方が……いい。そんな人……ばかり……だから」
「勿体ないね。歌も踊りもとても素敵なのに」
『…………!!』
「…………!!」
「……(二人が生徒会長の言葉に衝撃を受けている……)」
『……(い、今の言葉はカストロのソレじゃない……!!顔はアントニオなのに、中身はカストロだなんて……!!)』
「……(リアルカストロの言葉……ぽっ)」
「あ、あの大丈夫?」
「大丈夫だと思いますよ会長。ただちょっと現実とバーチャルの狭間をふらふらしてるだけかと」
「そ、そうなんだ……(どういう意味だろ)」
『あ、あのっ……カストロ様!』
「……(カストロ様っ?だ、誰?)」
『カストロ様の祈りなのですが、もしかしたらその……叶う可能性が、低いかもしれません』
「…………」
「……難しいって事?」
『その辺りは深くは……ただ神様との話の中で……その……神様が少しだけいつもとは違う反応を見せられたので……あるいは』
「……リリ……踊りが……途中……おかしかった」
『うん。ちょっと動揺しちゃったの。ごめん……。なのでカストロ様、トトに……願いの魔人であるトトに頼みませんか?弟さんの事』
「…………」
「……そしたら……弟さん……すぐ、治る」
「トトさんは、多分……叶えない気がしますのですよ」
「テテ?」
『叶えないって……まさか私が一度祈ったからとか言うんじゃないでしょうねぇ』
「……きっと大丈夫ですよ。会長さんのソレは叶いますです。もう少しだけ、時間がかかったとしても……叶うですよ」
『…………(何なのよぉ)』
「…………?」
「……そうだね。うん。きっと……もう少しだけ」
「……(願いと祈りの違い、か……)」
The third act fall of the curtain




