「あるいは星になりたがらない青少年」
パラパラパラパラ
「うわっ!何だ突然……雨?」
「いや、これ雨じゃなくて飴……いててててで」
「すごーい」
「あーめぇー!」
「こらっ!拾っちゃ駄目!!」
ピシャーンッ!
「きゃーーっ!」
「何だ何だ雷かっ!」
「いや、これ雷じゃなくて……」
『我は神なり!!』
「うわぁー!?何だ何だ!神?!」
『我は神なり!』
「何っ?どういう事!?」
『我は神なり!』
「神様だよ神様!すげぇーっ、オレ初めて見た!」
「いやっ神様なわけねぇーだろ!何処のサイコ野郎だよ!」
ザワザワザワ
「あらららら、これはまた……」
「凄い騒ぎなのですよ……」
「これは全部ランプの魔人君が?」
「そうなのです。きっとそうに違いないのですよ」
「なんか、世の中の全ての怪奇現象はトトの仕業なんじゃないかと思えて来たわ」
『失礼な奴だな。何でもかんでも俺のせいにしてんじゃねーよ』
「トト!?」
「トトさん!」
『よー。よくここが分かったな(笑)』
「トトさん!悪戯は駄目なのですよ!早く全部片付けるです!」
『へいへい』
ぽふぽふぽふ
「全部、消えた……」
『消したぞー、これでいいだろ?』
「トトさん!どうしてまた悪戯するんですか!トトさんのせいでまたランプがこんなに汚れて……」
『いやぁー、最近ご無沙汰だったからな。そろそろ御所望かと思ってよ』
「そろそろって何ですか!(怒)」
「はぁ……トト、悪戯して気はすんだの?」
『お前こそまたでしゃばって来て……。暇なのか?探偵』
「暇と言えば暇だし。暇じゃないと言えば暇じゃないわね」
『意味わかんねぇ』
「……(じぃー)」
『何だよ会長さん。俺の顔に何か付いてるか?』
「あ、いや。凄いね。本当に魔法が使えるんだ」
『はぁ?ランプの魔人なんだから魔法なんて使えて当たり前だろ。頭イカれてんのか』
「あははは、本当だね……。うん。そうかも」
『…………』
「あの、それで会長。会長のお願いは何なんですか?トトに叶えて欲しいって……」
「あ、そうだったね。えっと……、弟が……、いるんだ」
「弟さん?」
「今この町の病院にね、入院中なんだけど……その弟が早く良くなりますようにって……、願いなんだけど」
「この町……もしかして先輩、その弟さんのお見舞いに今日この町に来ていたのですか」
「うん。そのお見舞いの帰りに君達に会ったんだ」
『…………あのさぁ会長さん』
「……ん?」
『会長さんのその願い、叶えられねんだけど』
続く




