「貴方の願い、叶えます」
「貴方のお願い叶えますぅ?」
「はいっ、一つだけですが貴方のお願いを誠心誠意真心を込めて叶えて差し上げますのですよ!」
「へぇ(胡散臭ぁ)」
「ただしそのためには一つだけテテのお願いも聞いて貰わないといけないのですが……」
「……(見返り求めるんかいっ!)で、何?」
「このランプを擦って綺麗にして欲しいのです」
「うわっ、汚っ!」
「はい……汚れが年々酷くなってまして……。綺麗にしないとなのですが」
「なら、自分で綺麗にすればいいんじゃ」
「そんな事したらテテの手が汚れてしまうではないですかっ!」
「え、何、私の手は汚れても良いと」
「お願いしますっ!ちょっとの汚れだけでも擦って落として頂けませんですかっ?」
「んー……(まぁそれぐらいなら別に)いいよ」
「わっ!ありがとうございますっ!ではお願いします!」
「ん(ランプこすこす)」
ボフッ。
『よっ』
「……何かちっこいの出てきたケド」
「はいっ、これが願いを叶えるランプの魔人トトです!!」
『トトでーす。よろぴくー』
「……(まぁランプと願いって言う時点で何となく予想はしてたけど)って事は、アンタじゃなくてこの魔人が私の願いを叶えてくれるってわけ?」
「その通りです!」
「魔人、ねぇ……(なんか軽そうだしやる気無さそうだしちっこいし。魔人には見えないけどとりあえず)じゃあお願い。このキーホルダーの持ち主を探して欲しいの」
『えぇー、人探しかよ。めんどくさ』
「トトさんっ!」
『へいへい。えーと、このキーホルダーの持ち主は……って、あれま』
「……?どうかしたの」
『いんやぁ……、なぁ、このキーホルダーの持ち主、見付けてどうするんだ?』
「いや、頼まれてただこのキーホルダー返すだけだけど。私の友達が昨日そのキーホルダーの持ち主に危ない所を助けて貰ったらしくて」
『何だ、昨日か』
「そのお友達さんはどうして自分で返そうとしないのですか?」
「……さぁ?」
「…………?」
『じゃあソイツをここに呼び出してやるからちゃんとキーホルダー返せよな』
「うん。宜しく」
パチンッ
「わっ、えっ、ここは……?」
「……生徒会長?」
「え?あ、うん……うん?」
「成る程。生徒会長だったんですね」
「えと、一体何が……」
「すみません。このキーホルダーの持ち主を探してまして」
「あっ!!それっ、良かったぁ!探してたんだ」
「そうなんですか。私の友達が昨日生徒会長に助けて貰った時に落ちている所を拾ったらしくて。良かったです、お渡し出来て」
チャリ
「ありがとう。これ、大事なものだったから」
「……(そんなに大事なものなんだぁ)」
「でも俺、何でこんな所に」
「(ギクリ)えと、すみません。私がランプの魔人にお願いしまして……」
「ランプの魔人?」
「はい(ってあれ?いなくなってる……)すみません。何でも無いです」
続く