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DELTA  作者: 伊織
糸使いの日常
2/2

1

ピチャン…ピチャン…


上の方から一定のリズムを刻む音。


ドクン、ン、ドク、ドクン…


そして深く中心から聞こえる不規則な音。


…ここは、一体どこなのか。


ふいに、上から聞こえていた音が消えた。より一層不規則になる、もう一つの音。真っ暗だった視界に色が生まれる。初めに目に入ったのは、ただただ澄み渡った世界。


ボコッ、ボゴゴゴッ…


突然、濁った音が上の方から降ってきた。


『…………っ』


透き通った世界が、徐々に濁っていく。

ワタシの世界が、真っ赤に染められていく。

熱い、熱い、アツイ、アツイ……ヤメテ!!!!!


「………っぶふ!!!!」


ゴツン!!!


「…ッチ、いってー」


目を見開くと、そこは見慣れた白いバスタブの中で。後頭部の鈍痛も、覚えのある感覚。

どうやら飛び起きた時に、バスタブの後ろに頭を打ち付けたらしい。

痛みの次に感じたのは不愉快な冷えだった。


要するに、風呂に入ったまま一夜を過ごしてしまったようだ。


「ぁーあ、やっちまった」


ヌルい風呂で寝るのは嫌いじゃない。…が、冷水となると話は別だ。これは普通に考えて最悪の目覚めと言えるだろう。

一つ大きな溜め息をついて、勢いよくその場で立ち上がった。


「おぉ、さっぶ…」


瑞々しい身体から水滴がはねた。

アリシア・ナタリーの一日が始まる。

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