始まりの朝
テスト投稿です。
定期的に一から見直して加筆修正を加えています。
ご了承下さい。
照りつける双子陽の眩しさに顔をしかめる。いつの間にか眠ってしまっていたのだ、と気づくのにたいした時間はいらなかった。
座ったまま寝てしまった為に体のあちこちが違和感を訴えている。一度立ち上がり小さく伸びをして大きく息を吸い込む。適度な湿気を含んだ新鮮な空気を体内に取り込むと、途端に呆けていた頭がクリアになっていく。
目下でささくれ立った木のテーブルに突っ伏している緑髪が揺れる。昨日共に祝杯を挙げていたクロッドという大男。その手にはしっかりとアル(一時的な酩酊効果がある飲料)の入ったグラスが握られている。寝てまで離さないこの根性。本当に好きなんだな、と苦笑を堪えきれない。
「ん、一回リログしなくちゃな」
風の音に若干のラグがある事に気付き、目の前の男の肩を叩いた。
メニューの端に37:08という表記が見える。37時間連続ログインか。そりゃあラグも起きるか。
「クロッド、起きて」
時計は6時を指している。ここの時計は現実とリンクしているから、相当な時間眠ってしまっていたのだろう。
「ちょっとリログしてくるから」
目を擦り大欠伸をしている彼にそう告げ、呼び出したメニューのログアウトボタンを押す。
「ディルグリースの噴水に10時なー」
薄れる映像の隅でクロッドがメニューを開いているのが見えた。