1/11
プロローグ 『春』
「バイバイ、環奈~!」
「うんっバイバーイ!」
友達数人に手を振った。手を振るたびにあの制服が揺れる。
私はもう高校一年。
進級して三日経った。桜はまだ散り終えていない。
柔らかな風が吹くと、薄ピンクの花びらが宙に舞う。
綺麗だなぁ・・・。
そんなことを思いながら、家に続く坂道を下る。
・・・・・・あれ・・・?
道の隅に、小さなネジが落ちていた。拾ってみるとそれは蒼色のネジ。
あの世界を繋いでいたネジ達に似ている・・・。
春の日の光にかざしてみるとキラキラと輝く。
もしかして、これは本当にあのネジ・・・?
「ハル・・・」
二文字の言葉が口から漏れた。
・・・・・・会いたいよ、みんな・・・・・・
ネジを優しく手で包み込む。
――――――― シロ
不意に誰かから、懐かしい名前で呼ばれた気がした。
私は、
かいせー版です。
でもあんまり改正した意味ないかも・・・;;