第8話:怖いのに、目が離せない
本作は自分の考えた世界観やキャラクターをもとに、小説の文体化をChatGPTにサポートしてもらいました。物語そのものはすべて自分の手で作っています。
戦場はまだ混乱していた。お兄ちゃんはもう、狂気じみた勢いでモンスターを次々となぎ倒していく。その小柄な体で大剣を引きずりながら歩く姿は、まるで殺人鬼。あの獲物を狙う獣みたいな眼光が、怖すぎて近寄れない。モンスターたちだって怯えてるのがわかる。悲鳴あげて逃げ惑ってるし……怖いよね、うん、わかる。
アーマーゴーレムですら、ブルブル震えて動きを止めてた。お兄ちゃんは、剣の感触を楽しんでるみたいで、口の端を不気味に上げる。その笑顔──完全に、殺戮を楽しむ狂人。
「おいおい、逃げてんじゃねーよ。久々に剣を振るうんだ。もっと楽しませろよ」
そう言いながら、軽々と大剣を振りかざしては、信じられない速さで振り下ろす。そのたびに床が抉れて、いろんなものが吹っ飛んでくる。もう、なにこれ……地獄絵図?
なんだか、モンスターたちが哀れに思えてきた。イヴァンさんたちも、私と同じ表情を浮かべていた。
「なんで、あいつ……あのチビさ加減で、あんな大剣振り回せるんだ……」
誰かがぼそっとつぶやいた。すると全員の視線が、なぜか私に向く。
「あー、うちの家系って、いろんな種族混じってて。ひいおじいちゃんがドワーフなんだけど、多分その血じゃないかな? ってお父さんが言ってた! ひいおじいちゃんも、“サーシャの剛腕も身長も、わしの血だな! わっはっはっは!”って言ってたよ♪」
「ふ、ふーん……」
……あれ? 私のひいおじいちゃんのモノマネ、家族にはウケるのに、知らない人には通じないんだ……。
モンスターたちはボスのアーマーゴーレムの影に隠れて、「お前が行け!」「いやお前だ!」と押し付け合っている。次の瞬間、アーマーゴーレムが前に押し出された。ボスなのに、ちょっとあわあわしているように見える。
アーマーゴーレムが覚悟を決めたみたいに両腕を構えて──
ドォンッ!
って、魔力砲を放った。でもお兄ちゃんは、ひょいっと避けた。
アーマーゴーレム、明らかに動揺してる。「くっ!」って感じで、今度は範囲衝撃波を放った。
「ヴェーテル、《盾》」
お兄ちゃんが静かに呟く。すると空気が一瞬で渦を巻き、透明な風の壁が前に展開された。
「なっ!!!」
魔法使いたちが一斉に驚きの声をあげる──その直後、衝撃波がぶつかり、轟音と共に風が逆巻いた。砂塵が一気に舞い上がる中、それでも壁はびくともせず、すべての衝撃を押し返してしまった。
「ちょ、ちょっと待って! 短縮詠唱!?」「いやもう、命令じゃん!! 何それっ!?」
全員の視線が、また私に集まる。
「……あー。なんかお兄ちゃん、精霊さんに好かれてるらしくて……? 詠唱短くても平気なんだって。おじいちゃんのおじいちゃんが言ってた!」
「な、なあ、カティアちゃん。そのおじいちゃんのおじいちゃんって……なんだ?」
「えっと……スヴェおじいちゃん。お母さんのひいおじいちゃんで、たしか……元エルフの王様……のはず?」
「スヴェ……ま、まさか、スヴェトザール王じゃないよな……?」
「あれ……まだ王様やってたんだ?」
私は、思わず首をかしげる。あんなに家に来てたのに、まさか王様をやめてなかったなんて……。
「はあ?!」「嘘だろ……」
周りの冒険者たちも混乱している。
そうこうしていると、激しい衝撃音が響き、アーマーゴーレムがドシンと倒れ込んだ。どうやら、お兄ちゃんが振り下ろした大剣の一撃が直撃したみたい……。でも、お兄ちゃんは首を傾げながら、倒れたアーマーゴーレムをじっと見つめている。
「おかしい、斬れない……」
頭をぽりぽり掻くお兄ちゃん。アーマーゴーレムはピクピク痙攣してて、周りのモンスターが心配そうに寄り添っている。
「なんでだ? この剣、アダマンタイトなのに……」
お兄ちゃんが不思議そうに剣を見つめると、全員が固まったまま私を見る。ひぃっ。そんな目で見ないでよ。
「えっと……お兄ちゃんの剣は、ボリスおじいちゃんが作ったやつで……“サーシャの剣は最高の素材じゃないと!”って言って、自分で掘りに行ったとかなんとか……? でも、アダマンタイトだったんだねぇ〜。知らなかったー、あはは」
「ボリス……それって……鍛冶神匠ボリスじゃ……」
「ん? ん〜、鍛冶師なのは確かだけど?」
「絶対そうだ……」
イヴァンさんが膝から崩れ落ちた。仲間が肩をぽんと叩く。
「イヴァン……ずっと、鍛冶神匠ボリスの剣が欲しいって言ってたもんな……」
「あ……なんか、ごめんね?」
思わず謝る私。でもその間に、アーマーゴーレムがプルプル震えながら立ち上がった。
「あ……立った……」
誰かが小声で呟く。すぐにお兄ちゃんが斬りかかる。
ガンッ! ガンッ! ガンッ!
斬れてはいないけど、アーマーゴーレムがグラグラと揺れている。
「呪詛装甲かも……このフロア、アンデッド系だし……あれ、ネクロタイプかも……」
イヴァンさんが膝をついたまま呟く。まだ立ち直れてないの、ちょっと可哀想。
「え、どういうこと?」
「呪詛は物理も魔法もほとんど通らない。でも、“魔法剣”なら届く」
なるほど、すごく頼もしい説明なんだけど、なんで正座してるの……。私は叫ぶ。
「お兄ちゃーん! 魔法剣ってのがいいらしいよ!!」
お兄ちゃんは目だけで返事して、剣に手をかざす。
「オゴニ」
その瞬間、剣が炎に包まれた。火力が強すぎて刃が見えない。大丈夫なの、それ?
「名前だけっっっ!!!」
魔法使いたちが、イヴァンさんの隣で膝から崩れ落ちて号泣してる。
「名前呼んだだけでっっっ!!」
床を叩いて泣く姿を見て、私は思わず苦笑いした。そして──炎を帯びた剣が、アーマーゴーレムを見事に斬り裂いた。金属が弾ける音。お兄ちゃんは、その感触にニヤリと笑う。何度も何度も斬りつけるたび、アーマーゴーレムの体が大きく揺れる。
「気の所為か……? アーマーゴーレム、少しずつ削ぎ落とされてないか?」
「いや、気のせいじゃないだろ……。腕、さっきより短くなってる……」
誰かがそう呟いた時には、もうアーマーゴーレムの両腕が見るからに削がれていた。お兄ちゃんの剣が通るたびに、ほんのわずかずつ装甲が削ぎ落とされていくのが見える。ギィ……ギギ……と悲鳴みたいな金属音を立てながら、アーマーゴーレムが後退していく。
あ……お兄ちゃん、剣の感触、楽しんでる。すっごい笑顔。あれ、完全に遊んでる顔だよね……?魔法剣の新しい手応えが楽しいんだろうな。
Xにキャラクターイメージを載せています。
画力がないので顔しかありませんが、気になる方はぜひ見てください。




