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私の可愛いお兄ちゃん  作者: みてりつき
《カティアside》
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第6話:もう、やだよぉ!

本作は自分の考えた世界観やキャラクターをもとに、小説の文体化をChatGPTにサポートしてもらいました。物語そのものはすべて自分の手で作っています。

 暗闇の中、瓦礫の間からかすかな音が聞こえる。息をひそめて周囲を見渡すと、粉塵にまぎれて何かがわずかに動いた。

 瓦礫の山が音を立てて崩れ、その隙間からお兄ちゃんの手が伸びてきた。私は思わず駆け寄る。


「お兄ちゃん……!」


 瓦礫がもう一度がたがたと揺れ、お兄ちゃんが上体を起こして這い出してきた。


「いてて。カティア、無事か?」

「お兄ちゃん! 良かった!」

「ここ、どこだ?さっき居た場所は最下層だよな……」


 お兄ちゃんは辺りを見回して眉をひそめる。

 私は視線を上げると、中央に立つ巨大なアーマーゴーレムを指さした。


「……多分、ここが本当の最下層──ボス部屋なんだと思う……」

「え……」


 お兄ちゃんは目を見開き、状況を理解しかけているみたい。奥から声が響いた。


「カティア嬢! 無事か?!」


 イヴァンさんの仲間たちが次々と現れる。後ろからは斥候が駆け寄り、叫ぶ。


「やばいぞイヴァン! 直ぐに戦闘態勢だ! モンスターに囲まれてる!!」


 イヴァンさんが低く、鋭い声で叫ぶ。


「全員、ここにいるか?! 一箇所に集まれ!」


 イヴァンさんの声が響いた、ちょうどその瞬間だった。

 暗闇の奥からスケルトンやアンデッドアーマー兵がぞろぞろと現れる。骨の擦れる音と鎧の軋む音が重なり、空気が一気に戦場のそれへと変わった。


 でも、どういうわけか敵は自然とお兄ちゃんの周りにより多く集まっていく。次々と迫る敵を見て、思わず息を飲む。まるで磁力に引き寄せられるみたい。


「わ! なんで俺の所ばっかり来るんだよ!!」


 お兄ちゃんが叫びながら、素早く魔法を放って後ろに飛び退く。

 いったいどうして、あんなに敵に狙われてるの? まさか、モンスターに好かれてるってこと……?


「お兄ちゃんっ!!」


 思わず駆け寄ろうとするけど、周りを埋め尽くすモンスターの数に阻まれて、前に進めない。


「なんであいつの所に集中してんだ……?」

「え、あいつ魔法使いなのに、なんであんなに避けてんだ……?」


 周囲の冒険者たちがざわつく。視線が一斉にお兄ちゃんへと集まった。


「カティア嬢! 心配なのは分かるが、戦いに集中してくれ! ここはなるべく生き残りを多くすることを優先して欲しい……!」


 イヴァンさんの声が、喧噪の中でもはっきり耳に届く。彼は冷静に指示を飛ばし、全員をまとめている。

 私は深呼吸して、剣を構え直す。


「そうだよね……ごめんなさい。うん、そうだよ、カティア! 気持ち切り替えて行かなきゃ……!」


 そして強く叫んだ。


「お兄ちゃんがこんなモンスターに負けるわけないじゃん!!」

「……え?」

「え?」

「あ、ああ……そうだな?」


 一瞬、場の空気が止まる。みんなが変な顔で私を見ていた。


「え?だって、サーシャお兄ちゃんだよ?」


 本気で言ってるのに、なぜか誰も返事をしない。代わりに、戦場の喧噪がその沈黙を飲み込んでいく。

 轟音が響き渡る。骨の巨人ボーン・ジャイアントが腕を振り下ろし、石床が砕け散った。衝撃で体が浮き、膝をつく。


「う……くっ!」


 すぐに立ち上がって剣を構える。だが、次々に襲いかかってくるスケルトンやアンデッドアーマーは止まらない。斬っても砕いても、骨が再び組み上がって動き出す。

 地面を割って、白い骨の手が突き出すように現れた。砕けた指先が床をかしゃんと叩き、次の瞬間には全身がぎしりと軋みながら起き上がる。スケルトンたちが次々と這い上がり、足場を奪うように押し寄せてくる。

 後方から叫び声が飛ぶ。


「イヴァン! 右側、押されてる!!」


 イヴァンさんが声を張る。


「カティア嬢、ここは俺に任せろ! 右側の支援を頼む!」


 私は頷き、右側に意識を集中させる。魔法使いや回復役の動きを見ながら、前衛を支える。

 視界の端で、仲間のひとりが倒れた。腕に噛みつかれ、地面を引きずられながらも、必死に足を突っ張って抵抗している。


「うわあああっ、離せっ!!」


 誰かの悲鳴。焼け焦げた骨の匂い。血と鉄と腐敗の臭いが混ざって息苦しい。


「くそっ……! 数が多すぎる!!」

「このままじゃ──っ!」


 イヴァンさんの剣が唸り、黒鉄の鎧を貫くけど、その後ろからまた別のアンデッドが現れる。まるで終わりがない。砕いても、焼いても、次の瞬間には骨が組み上がる。崩しても、すぐ立ち上がる。


 気づけば、周囲はほとんどアンデッドで埋め尽くされていた。足を踏み出すたび、砕けた骨を踏みしめる感触が伝わる。剣を振るたびに、腕がどんどん重くなる。


「はっ……はぁ……っ!」


 息が荒い。もう何体目を倒したのかも分からない。背中には汗が張りつき、足元では仲間の魔法光がちらついている。魔法使いの詠唱も、もう途切れがちだ。


「くそっ……キリがないぞ!」

「魔力が……もう持たない!」


 誰かの悲鳴に、胸の奥がズキリと痛む。それでも前に出て剣を振るう。骨が砕け、火花が散る。けれどまた、闇の奥から次の骨の群れが這い出てくる。


「……う、うそでしょ……? 減ってない……」


 口の中が乾いて、声が掠れる。足元がふらつき、肩で息をしながら、思わず空を仰いだ。その瞬間、巨大な骨の腕が再び床を砕き、破片が飛び散る。


「きゃあっ!」


 転がるように避け、すぐ立ち上がろうとするけど、腕が上がらない。握った剣がずるりと滑り、床に当たってカランと音を立てた。


 ──もう、限界。


「う……疲れたよぉ……」


 小さく漏れた言葉が、自分でも情けないほど弱かった。でも止まらない。スケルトンはまだ、どこまでも、終わりなく押し寄せてくる。


「もー……こんなのいつまで続ければいいのー! 終わりが見えないよー!!」


 叫びながら、思わず遠くを見る。少し離れた場所で、お兄ちゃんが懸命に魔法を放っているのが見えた。あんなに小さい体で、何体ものアンデッドを相手にして──それでも一歩も引かない。


「お兄ちゃん……」


 胸の奥がぎゅっと痛くなる。助けてほしい。でも、そんな余裕、きっとない。自分だって分かってるのに、涙が勝手にあふれてきた。


「いやぁぁ……もうやだぁぁ……お兄ちゃん助けてよぉ……!!」


 叫ぶたびに、剣が手からずれそうになる。周りの仲間たちは、戦場の真っ只中で完全に静止した。イヴァンさんも、ほんの一瞬、目を見開いて眉をひそめる。


「カ、カティア嬢……。気持ちはわかるが、何とか頑張ってくれ……。ランク的にも君が頼りなんだ」


 イヴァンさんが、少し引き気味に声をかけてくれる。その言葉に、私はぎゅっと剣を握り直す。──でも、目の前の戦況は止まらない。

Xにキャラクターイメージを載せています。

画力がないので顔しかありませんが、気になる方はぜひ見てください。

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