第5話:なんでこうなるの!?──最下層大混戦
本作は自分の考えた世界観やキャラクターをもとに、小説の文体化をChatGPTにサポートしてもらいました。物語そのものはすべて自分の手で作っています。
気づいたら、私たち二人はいつの間にか最下層まで逃げてきていた。ここは──もう攻略済みのボス部屋。
「やあ、カティア嬢」
聞き覚えのある声がした。声の方を向くと、ピカピカの鎧をまとった男が立っている。『蒼銀の翼』のリーダー、イヴァンさん。その後ろには、見慣れた彼のパーティメンバーがズラリと並んでいた。
「まさかこんな場所で会うなんて、運命を感じるよ」
イヴァンさんがいつもの柔らかな笑顔で言った、その瞬間。後ろで『蒼銀の翼』のメンバー全員が、そろって首を横に振った。
「……もう三日目です、リーダー」
「“ここに絶対『なかよし団』が来る”って言って張り込んでましたけど……」
「正直、帰って寝たいです……」
「もう乾パンしか残ってません……」
「え? 可哀想……」
思わず口に出しちゃった。
……沈黙。
イヴァンさんがゆっくり振り返り、仲間たちを見渡す。笑顔はいつも通りなのに、目だけがまったく笑っていなかった。空気が、ぴしりと凍る。
全員、反射的に背筋を伸ばして、誰も動かない。誰も息をしない。……そのまま、イヴァンさんがゆっくり私たちの方に向き直る。一歩、また一歩と踏み出す。その静寂の中で、靴音だけが、コツ、コツと響く。
お兄ちゃんは思わず一歩下がった。
「……なんでお前がここにいんだよ」
「決まってるだろう。貴様が逃げ続けるからだ。ついに、俺自ら迎えに来た」
「迎えにって……いや、逃げてねぇし」
「ほう……」
イヴァンさんが小さく笑った。その瞬間、お兄ちゃんの背筋がピリッと固まって、少し冷や汗をかいてるのが見えた。……それにしても、お兄ちゃんったら! 本当は必死に逃げてたくせに、子供みたいな言い訳して……可愛いなぁ。
気づいたら、追いかけてきた男たちが次々と部屋になだれ込んできて──場は一気にカオスになった。
イヴァンさんは呆れた顔で男たちを一瞥する。
「なんだ君たちは。いくら簡単なダンジョンとはいえ、ここで騒ぐのは感心しないな。少しは常識というものを弁えてほしいものだ」
……あ、すごい。イヴァンさん、自分のこと棚に上げて正論言ってる。だけど、男たちはまるで聞く耳を持たない。
「イヴァン! お前こそ、どうせここで張ってたんだろ!」
「そうだ! 人のこと言えねーだろ!」
「なっ! お、俺がそんなことするわけないだろ!」
図星をつかれたのに……嘘ついた! 『蒼銀の翼』のパーティメンバーも、もう何も言わない。目が死んでる。
「なら、イヴァン、お前が引け!」
「そうだ! 俺がサーシャに勝ってカティアちゃんと──」
イヴァンさんの眉がピクリと動いた。
「ふざけるな! 最初にカティア嬢に求婚したのは俺だ! 引くわけないだろう! だったら……こうしよう。サーシャもお前らもまとめて、俺が相手になってやる!」
「何言ってやがる! お前は指咥えて見てろ! サーシャを倒すのは俺だ!!」
男たちが焦ったように、お兄ちゃんに飛びかかってきた。
「ちょっと! お兄ちゃんに何すんのよ!」
私は慌ててその前に立ちはだかる。それを見て、イヴァンさんが口元を歪める。
「ははっ。妹の影に隠れてるなんて、恥ずかしくないのか? サーシャ」
「なっ! 隠れてるわけねーだろ!」
お兄ちゃんがむっとして顔をしかめ、握った拳をわずかに震わせる。目がギラッと光った。
「……それとも、俺を相手にするのが怖いのか?」
イヴァンさんの挑発に、思わず体が前のめりになるお兄ちゃん。
「は?! 怖くねーし!!」
──え、待って。さっきまでの小動物みたいな態度はどこに行ったの? 強気なお兄ちゃんも可愛いけど……可愛いけど!!
そう思った瞬間、お兄ちゃんはブチ切れたまま、勢いよく杖を振り上げる。そして、容赦なく本気の魔法を詠唱し始めた。
「炎の精オゴニよ、我が拳に灼熱の刃を刻め──燃え上がれ、《紅蓮火弾》!」
魔法が炸裂した瞬間、熱気が空間を焼きつくし、辺りの空気が一変する。
「な、なにそれ、威力やば……っ」
そのとき──
ぐらっ。
「……え?」
鈍い音とともに、床が崩れはじめた。
ばきぃぃん!!
「きゃあっ!? ちょ、足元崩れてる!!」
私が叫んだその瞬間、視界がぐるりと回った。
「うそっ、ほんとに落ちるの!? やだ、やだってば〜〜!!」
「え、待って待って待って!? 俺、高いの苦手なんだけど──!!」
どこか上のほうから、お兄ちゃんの声が聞こえる。
そして次の瞬間──私は硬い石の床に叩きつけられていた。
背中に鈍い痛みが走る。体をゆっくり起こし、辺りを見回す。──広い。見渡す限りの空間が、どこまでも続いている。高くそびえる黒い天井から、ひやりとした湿気が降りて首筋を撫でた。
「ここ……どこ……?」
思わず声が漏れる。音が吸い込まれるように消え、辺りは静かで少しひんやりとしていた。
カチ……カチ……と、骨の擦れる音が四方から響く。壁際や柱の陰、石の裂け目。まだ姿は見えないけれど、視界の端で影がひそひそ動いている気がして、ぞわっと鳥肌が立った。
そして奥の闇に──“何か”がいる。最初はただの影かと思ったけれど、だんだん目が慣れてくると、黒く大きな輪郭がふわりと浮かび上がる。……見てる。こっちを見下ろしてる、って直感で分かった。
空気そのものが重く歪む。まるで見えない魔力の渦が空間を押し潰しているみたいで、息を呑む。
「……まさか、アーマーゴーレム……?」
自分でも聞き取れないくらいの小さな声で呟く。でもその声さえ、やけに大きく響いた気がした。
──ここは、ボス部屋だ。
Xにキャラクターイメージを載せています。
画力がないので顔しかありませんが、気になる方はぜひ見てください。




