表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の可愛いお兄ちゃん  作者: みてりつき
《カティアside》
5/26

第5話:なんでこうなるの!?──最下層大混戦

本作は自分の考えた世界観やキャラクターをもとに、小説の文体化をChatGPTにサポートしてもらいました。物語そのものはすべて自分の手で作っています。

 気づいたら、私たち二人はいつの間にか最下層まで逃げてきていた。ここは──もう攻略済みのボス部屋。


「やあ、カティア嬢」


 聞き覚えのある声がした。声の方を向くと、ピカピカの鎧をまとった男が立っている。『蒼銀の翼』のリーダー、イヴァンさん。その後ろには、見慣れた彼のパーティメンバーがズラリと並んでいた。


「まさかこんな場所で会うなんて、運命を感じるよ」


 イヴァンさんがいつもの柔らかな笑顔で言った、その瞬間。後ろで『蒼銀の翼』のメンバー全員が、そろって首を横に振った。


「……もう三日目です、リーダー」

「“ここに絶対『なかよし団』が来る”って言って張り込んでましたけど……」

「正直、帰って寝たいです……」

「もう乾パンしか残ってません……」

「え? 可哀想……」


 思わず口に出しちゃった。

 ……沈黙。

 イヴァンさんがゆっくり振り返り、仲間たちを見渡す。笑顔はいつも通りなのに、目だけがまったく笑っていなかった。空気が、ぴしりと凍る。

全員、反射的に背筋を伸ばして、誰も動かない。誰も息をしない。……そのまま、イヴァンさんがゆっくり私たちの方に向き直る。一歩、また一歩と踏み出す。その静寂の中で、靴音だけが、コツ、コツと響く。

 お兄ちゃんは思わず一歩下がった。


「……なんでお前がここにいんだよ」

「決まってるだろう。貴様が逃げ続けるからだ。ついに、俺自ら迎えに来た」

「迎えにって……いや、逃げてねぇし」

「ほう……」


 イヴァンさんが小さく笑った。その瞬間、お兄ちゃんの背筋がピリッと固まって、少し冷や汗をかいてるのが見えた。……それにしても、お兄ちゃんったら! 本当は必死に逃げてたくせに、子供みたいな言い訳して……可愛いなぁ。

 気づいたら、追いかけてきた男たちが次々と部屋になだれ込んできて──場は一気にカオスになった。

 イヴァンさんは呆れた顔で男たちを一瞥する。


「なんだ君たちは。いくら簡単なダンジョンとはいえ、ここで騒ぐのは感心しないな。少しは常識というものを弁えてほしいものだ」


 ……あ、すごい。イヴァンさん、自分のこと棚に上げて正論言ってる。だけど、男たちはまるで聞く耳を持たない。


「イヴァン! お前こそ、どうせここで張ってたんだろ!」

「そうだ! 人のこと言えねーだろ!」

「なっ! お、俺がそんなことするわけないだろ!」


 図星をつかれたのに……嘘ついた! 『蒼銀の翼』のパーティメンバーも、もう何も言わない。目が死んでる。


「なら、イヴァン、お前が引け!」

「そうだ! 俺がサーシャに勝ってカティアちゃんと──」


 イヴァンさんの眉がピクリと動いた。


「ふざけるな! 最初にカティア嬢に求婚したのは俺だ! 引くわけないだろう! だったら……こうしよう。サーシャもお前らもまとめて、俺が相手になってやる!」

「何言ってやがる! お前は指咥えて見てろ! サーシャを倒すのは俺だ!!」


 男たちが焦ったように、お兄ちゃんに飛びかかってきた。


「ちょっと! お兄ちゃんに何すんのよ!」


 私は慌ててその前に立ちはだかる。それを見て、イヴァンさんが口元を歪める。


「ははっ。妹の影に隠れてるなんて、恥ずかしくないのか? サーシャ」

「なっ! 隠れてるわけねーだろ!」


 お兄ちゃんがむっとして顔をしかめ、握った拳をわずかに震わせる。目がギラッと光った。


「……それとも、俺を相手にするのが怖いのか?」


 イヴァンさんの挑発に、思わず体が前のめりになるお兄ちゃん。


「は?! 怖くねーし!!」


 ──え、待って。さっきまでの小動物みたいな態度はどこに行ったの? 強気なお兄ちゃんも可愛いけど……可愛いけど!!

 そう思った瞬間、お兄ちゃんはブチ切れたまま、勢いよく杖を振り上げる。そして、容赦なく本気の魔法を詠唱し始めた。


「炎の精オゴニよ、我が拳に灼熱の刃を刻め──燃え上がれ、《紅蓮火弾》!」


 魔法が炸裂した瞬間、熱気が空間を焼きつくし、辺りの空気が一変する。


「な、なにそれ、威力やば……っ」


 そのとき──

 ぐらっ。


「……え?」


 鈍い音とともに、床が崩れはじめた。

 ばきぃぃん!!


「きゃあっ!? ちょ、足元崩れてる!!」


 私が叫んだその瞬間、視界がぐるりと回った。


「うそっ、ほんとに落ちるの!? やだ、やだってば〜〜!!」

「え、待って待って待って!? 俺、高いの苦手なんだけど──!!」


 どこか上のほうから、お兄ちゃんの声が聞こえる。

 そして次の瞬間──私は硬い石の床に叩きつけられていた。

 背中に鈍い痛みが走る。体をゆっくり起こし、辺りを見回す。──広い。見渡す限りの空間が、どこまでも続いている。高くそびえる黒い天井から、ひやりとした湿気が降りて首筋を撫でた。


「ここ……どこ……?」


 思わず声が漏れる。音が吸い込まれるように消え、辺りは静かで少しひんやりとしていた。

 カチ……カチ……と、骨の擦れる音が四方から響く。壁際や柱の陰、石の裂け目。まだ姿は見えないけれど、視界の端で影がひそひそ動いている気がして、ぞわっと鳥肌が立った。

 そして奥の闇に──“何か”がいる。最初はただの影かと思ったけれど、だんだん目が慣れてくると、黒く大きな輪郭がふわりと浮かび上がる。……見てる。こっちを見下ろしてる、って直感で分かった。

 空気そのものが重く歪む。まるで見えない魔力の渦が空間を押し潰しているみたいで、息を呑む。


「……まさか、アーマーゴーレム……?」

自分でも聞き取れないくらいの小さな声で呟く。でもその声さえ、やけに大きく響いた気がした。

 ──ここは、ボス部屋だ。

Xにキャラクターイメージを載せています。

画力がないので顔しかありませんが、気になる方はぜひ見てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ