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私の可愛いお兄ちゃん  作者: みてりつき
《サーシャside》
20/26

第20話:呼び覚まされる剣

本作は自分の考えた世界観やキャラクターをもとに、小説の文体化をChatGPTにサポートしてもらいました。物語そのものはすべて自分の手で作っています。

 相も変わらず溢れ出るモンスターを魔法で片っ端から吹き飛ばしながら、カティアが泣き叫んでいる声がした方へ視線を向ける。泣いているせいか、普段からだだ漏れの魔力がさらに大放出されている。

 いや……居場所分かりやすいな……。てか、どんだけ放出するんだよ……化物かよ……。

 そんなふうに思っていたら、その魔力がアーマーゴーレムへと吸い込まれていくのが見えた。


「あ……」


 思わず声が漏れる。


“動くよ。動くよ”

“ワクワクするね”

“くすくす”

“くすくす”


 精霊の期待通り、アーマーゴーレムがついに動き出した。

 ドゴォンッ!!

 アーマーゴーレムが腕を振り下ろす。……あ、イヴァンみたいなのが吹っ飛ばされてる。


“イヴァン、吹っ飛んだ。くすくす”

“吹っ飛んだ。くすくす”

“くすくす”


「あー……。あれって、もしかして、カティアの魔力がなかったら動かなかった……なんてことは、ないよな?」


 モンスターの攻撃を避けつつ、思わず精霊に尋ねてみる。


“魔力なかったら動かない”

“ゴーレム魔力必要。くすくす”

“カティア、おもちゃ動かしてくれた。くすくす”

“カティア偉いね。くすくす”

“偉いね。くすくす”


 ……うん、聞かなかったことにしよう。カティアの魔力は関係ない、きっとそうだ。

 俺が現実逃避していたその時、精霊たちが急に騒ぎ始めた。


“あ、カティア”

“カティア”

“カティアが”


「どうした?! カティアに何かあったのか?!」


 焦ってカティアの方を見るが、相変わらず魔力を大放出しながらアーマーゴーレムに供給しているだけだ。苦笑しながら精霊の声に耳を傾ける。


“出すよ”

“カティアが出すよ”


「出すって何だよ? 魔力ならいつもだだ漏れだろ?」


“出しちゃうよ。ドキドキ”

“出しちゃうね。ドキドキ”


「え? 違うのかよ? 気になるんだけど!」


“あ、カティア。イヴァンと手を繋いでるね”

“繋いでる”

“繋いでる。くすくす”


「はっ?!!!」


 手を繋ぐって何だよ!? どんな状況だよ!? まさかカティア、イヴァンのこと…満更でもないのか? 嘘だろ!? 弟があれってマジで嫌すぎるんだが。


“あ、回した”

“ぐるぐる回した“

“ぐるぐるしてるよ”


 え、どんな状況なんだよ! 回すって──、イヴァンを回してるのか?! ……待て待て、頭が追いつかねぇ! 落ち着け、俺……!


“来るよ。ドキドキ”

“来ちゃうよ。ドキドキ”


「え? 来るって、何が?」


 その時、カティアの呼ぶ声がはっきり聞こえた。


「お兄ちゃーーーん!」


 見ると、カティアのいる方向から、何かが真っ直ぐこちらに飛んできた。

キラーンと光るそれを見て、思わず声をあげた。


「え?!」


 嘘だろ?!! あれ、剣じゃねーーかっ!! あいつ俺を殺す気かっ!!!!


 ──ドカーンっ!!


 それはモンスターを巻き込みながら、俺に当たるギリギリの位置へ落下した。

 い、一瞬、俺に刺さるかと思った……。大地の精霊ゼムリャが勝手に壁を作ってくれたおかげで避けられた。こいつ今日は珍しく仕事するな。褒めてやりたい。

 土煙が立ち込める中、飛んできたその大きな剣を見つめる。視線が剣に吸い寄せられ、胸の奥で忘れていた記憶がふっと蘇った。


「あれ……、これって……」


 心臓が高鳴り、息が少し荒くなる。


「……確か、俺の……」


 手が自然に伸びた。ああ、なんで忘れてたんだ。これは、俺の剣じゃないか。……そうだ。思い出した! これはボリスじいさんが俺にくれた、俺が一番気に入ってる剣だ!!

 鼓動が速まり、脈打つ音が耳に響く。息が荒く、苦しいほどなのに、胸の奥が嬉しさで満たされていく。

 ああ、そうだ! そうだよ! 込み上げる感情に、頭がクラクラする。吐き気に似た震えと喜びが入り混じって、苦しくて嬉しくて、でも確かに愛おしい!

 俺の剣だ!! 俺の剣だ!!! 俺の剣だっ!!!! 溢れる感情のまま、剣を握った──その瞬間。


 ふっと世界が真っ白になった。


 あれ……。どうしたんだ? 剣は……確かに握ってる。感覚はある。大丈夫だ。体がふわふわしている気はするが、俺は立っている。

 ここは……どこだ? 静かだな……。そうだ。ダンジョンだ。そう認識した途端、景色が一気に戻る。しっかり剣を握る俺の手が視界に映る。

 ああ、俺の剣。久々だ。……そうだ。久々に持ったんだ。

何か斬りたいよな。斬りてぇ! 超斬りてぇ! 何でもいいから斬りてぇ!

斬りてぇ、斬りてぇぇぇ!

──居るじゃん、ここに。いっぱい。斬れるやつら。思わず口元がニヤリと緩む。

 次の瞬間、剣を振り抜き、モンスターへ斬り付ける。

手に伝わる感触。その気持ちよさにゾワッとする。たまらなくて、もう一度、もう一度──と剣を振る。

 斬って斬って斬って斬って、快感が止まらない。全身に鳥肌が立つ。

これだ。これだよ。この感触は魔法なんかじゃ絶対わからない。

もっと。もっと。もっとっ! 楽しい。楽しい。超楽しいぃっ!!


「ふふ……ふっふっ……ふっ……ふっ……はっはっ……はっはっは……はっはっはっはっ……あははははははっ!!」


 手に残るこの感触。剣の重みと匂い。ゆっくり呼吸を整え、目を閉じて反芻する。あまりの恍惚感に息が漏れる。


「……ああ、この感触……これだよ……」


“サーシャ嬉しい?”

“サーシャ喜んでる”

“サーシャ楽しい”

“サーシャ幸せ”


 相変わらず騒がしい精霊ども。だが今は気にならない。


「父さんと母さんは、魔法の方が格好いいって言ってたけど……」


 言ってから、ん? そうだったか? と一瞬考えるが、まあいいかと流す。


「やっぱり、剣の方が最高に格好いいし……斬ったときの感触が、最高に気持ちいいよな……」


 アホみたいにアーマーゴーレムに魔力を供給し続けるカティアの方へ振り返る。


「なあ、カティア」

「う、うん……そーだね♡」


 俺の剣をお前が持っていたのは分かってる。だが、まあ今回は許してやる。こうして俺に返したんだ、妹の悪戯くらい多めに見てやる。何せ数年ぶりの剣だ。興奮がまだ冷めない。

 ああ、もっと、もっと、斬りたい。

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