新・私のエッセイ~ 第235ー3弾:某有名ボクシング洋画より、魂の会話紹介(3)
エイドリアン:「ロッキー・・・。コートを羽織って。そとは冷えるわ。中に入って。
・・・ほおっておくのよ。」
ロッキー:「・・・あいつには悪気はない。混乱してるだけだ。」
エイドリアン:「あなたはいま、何も見えなくなってるの。」
ロッキー:「トミーは、デュークにたぶらかされてるだけだ。俺にはわかってる。」
エイドリアン:「・・・現実をよく見て。トミーは、あなたを裏切って、デュークについたの。
時計の針はもう戻せないわ。彼はもう、戻ってこない。」
ロッキー:「エイドリアン! 君まで俺をバカにするのか!?
・・・俺にだって、ちゃんと『アタマ』はあるんだ。
みじめな暮らしから抜け出そうって、精一杯やってるんだ!!
『君にこんな暮らしをさせたくない』、『家族に楽をさせてやりたい』・・・この気持ちがわかるか?
こっから抜け出したい・・・落ちぶれた下町に戻り、女房からは『バカよばわり』。
近所の連中はこう言う。
『見ろ、あれがロッキーだ。むかしどおりのゴロツキ野郎だ。』
・・・くそくらえだ!!」
エイドリアン:「やめて! 誰も、そんなこと言ってやしないわ。」
ロッキー:「・・・いいや、言うさ! みんなが言わなくても、俺が自分で言う!!
・・・トミーは俺が、この手で育て上げた。
やつが勝てば、この俺もいっしょに勝ってる。」
エイドリアン:「・・・トミーといっしょに??」
ロッキー:「そうだ! ・・・社会に俺を見直させる、最後のチャンスだ。
世間のやつらが、この俺を見直す・・・」
エイドリアン:「あなたは、あたしの英雄よ。尊敬してるの。」
ロッキー:「なにが『英雄』だ、なにが『尊敬してる』だ! くそくらえだ!!」
エイドリアン:「・・・うそじゃないわ! 本当よ!!
あなたの気持ちがわからないと思ってるの・・・?
・・・痛いほどわかってるわ!
トミーが現れて、あなたは自分がリングの上で戦っているように『誇り』を感じているのよ。
でもトミーは、『ハート』を持っていないわ。
あなたは『ハート』を持っている。
『チカラ』だけじゃない。
・・・『ハート』よ!!
ミッキーは、それを見抜いた。
だからあなたに、すべてを賭けたのよ。
・・・そして、死んでいったわ。
ミッキーに教わったことを伝えたいなら、息子に伝えてほしいの。
あなたの息子に・・・!
あの子を救ってやって。
・・・苦しんでるのよ。
あなたがトミーに、ありったけの気持ちを託して、トレーニングにのめり込む気持ちは、よーくわかるわ。
でも、家族はどうなるの・・・?
そのためにあなたは、家族を失いかけてるのよ・・・あぁ・・・」
(エイドリアン、号泣しながら、ロッキーに抱きつく。
ロッキーも、そんな彼女をしっかりと抱きしめる。)
ロッキー:「・・・すまない。本当に悪かった・・・。
君あっての俺だ。
・・・許してくれ、エイドリアン。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
・・・劇中、
屈指の名場面だと思います。
m(_ _)m