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第11話 タロットカード、とかって知りませんか?

「で、何であんたがEランクなの?」


 あたしことアンジュリーナ・カルレンは、この前に約束したとうり、リンと一緒に依頼を受けようと冒険者ギルドに来たわけだが。


「いやですね、まだ片手で数えられる程度の日数しか冒険者やってないので。これでも講座の合間をぬってランクアップしたんですよ」


 とまあ、そんなふざけたことをコイツはぬかしやがったのだ。


「そんなんじゃあ、Dランクの簡単な依頼しか受けられないじゃないの」


「いえ、中には結構難しい依頼もありますよ」


 そう言って、リンは何かの紙を取り出した。


「何それ?」


「タロットカードです。知りませんか?」


「知らないわよ、んなもん」


 そうですか、と興味なさそう(実際ないんだろう、なら何で聞いた)につぶやき、タドッロトーカだかタカーッドロトだとかいう紙を弄り始めた。


「遊んでないで、まともな依頼をさがすわよ」


「別に遊んでるわけではないのですが……あっ」


 リンは驚いたように少し目を見開き、そしてすぐにいつもの表情に戻った。


「これにしましょう」


「え、『始まりの洞くつに忘れ物』これってFランクじゃない! やる気あるの?」


 『始まりの洞くつ』とは、全ての生き物はここから生まれたという言い伝えのある神秘的な場所。とかではなく、本当にまったく経験のない超初心冒険者みたいな奴が、試しにと始めて攻略しようとするベリーイージーステージである。はっきり言って、運動神経のいい子供でも十分。ぶっちゃけた話、依頼者も取りに行けないのではなく、取りに行くのが面倒なだけだろう。

 それをチョイスするのは、よほど自信と実力、あるいはやる気のない奴だけだ。


「まあまあ、騙されたと思ってやってみましょうよ」


「いくらなんでもこれはないわよ」


「あのー、いいかい?」


 突然、知らない青年が話しかけて来た。


「あんた誰?」


「ちょっとアン、いきなりそれは失礼ですよ」


 あんたがやる気ないからイラついてるんでしょ、あとアン言うな。


「えーと、君達はこの依頼を受けるんだよね?」


「あ、はい」


 この依頼とは『始まりの洞くつに忘れ物』のことだろう。まったく、どいつもこいつもこのクズ依頼が何だっていうの。


「良ければ私も一緒にやらせてくれないかな?」


「いいですよ」


 何勝手に承諾してんのよ!


「おお、有難う。それではよろしく」


「いえいえ、こちらこそ」


 え、しかも何か断りずらいことになってるし。


「私は今からでも出発できるのだけど」


「それではさっそく行きましょうか」


 ちょっと、待ちなさいよ。




~~~~~~~~~~~~~~~





「電よ、貫け、【電の矢(エレキアローズ)】」


 アンが放った矢はアリ型の怪物(モンスター)『働きアリ』に突き刺さり、破壊した。……もういちいち名前に突っ込んだりしないよ、いろいろ面倒ですから。


「弱いっ、弱すぎっ。洞くつの外にいるやつより弱いってどういうことよ!」


「まあまあ、少し落ち着きなよ」


 槍で働きアリを切りながら言う冷静な僕は、アンに注意してあげた。


「うっさい! 落ち着いてるわよ」


 逆効果だったらしいね。


「でさ、あいつはいったい何なの?」


 『あいつ』というのはさっきギルドで話しかけてきた青年さん、働きアリと1on1で殺り合っていらっしゃる。ちなみに押され気味。


「やあっ。はぁ、はぁ」


 息を整えている内に、働きアリが仕掛けて来た。これは不味い、助けが間に合わない。


「【電の矢(エレキアローズ)】」


 第一・二過程、いわゆる詠唱の役割は、魔力を練り上げる時間を稼ぐことと魔術のイメージを濃く想像させること。故に、第三過程の短時間


に必要量を練りきれ、イメージできれば詠唱を省く『無詠式』を使うことができる。

 つまり、『無詠式』によってアンは青年さんを助けることに成功した。


「あんたね。魔術を使えない上に、体力もないのに依頼を受けてどうすんのよ。ヘタしたら死ぬわよ」


「は……い。すみません」


「謝ってどうすんのよ! そうじゃなくて」


 ギリギリ、不意にそんな音がした。


「まあいいわ。さっさと行くわよ」


「どこに?」


「どこにって、奥に決まってるでしょうが」


「その奥はもうないようだけど」


「え?」


 目の前に広がる湖、天井には穴が開いていて少し明るい。ここが始まりの洞くつの最深部『初湖(しょこ)』だ。んでもって、僕らの行く手には丸いくぼみのある壁。


「行き止まり? 忘れ物なんてないじゃない。てか忘れ物って何だっけ?」


「あー、何も書いてなかったですね」


「イタズラ? イタズラなの? イタズラなのかよこの野郎!」


「ちょっ、アン、キャラ崩れてるっ」


「はぁ? 何か言ったか「わああっ」ん?」


 ハァ、ハァ、窒息するかと思った。青年さんありがとう。


「ちょっと! 何?」


「あ、あ、あれ」


「は? ……え?」


 青年さんの指のさす方には、ジェル状の体に、一つの大きな球体、その他にいろいろな物が混じっていそうなでっかい塊。


「あれって怪物(モンスター)ですよね」


「し、知らない。あ、あんなの、怪物大図鑑に載っていない」


 ああ、そう言えばアンは全ての怪物(モンスター)が載っている怪物大図鑑を丸暗記したとか言ってたな。


「え、それじゃあアレって新種の怪物(モンスター)ってことですか?」


 そんな僕の問いかけが、場違いに響いた。

すみません、遅くなりました。

ちょっと前に二週間に一回とかいってすいません。

テスト勉強をしていたんですよ。流石、進学校はテスト期間が長い。しかも明日(今日?)は模試ですし。

まあ、そんなことで更新が遅くなることが多々ありますが、よろしくお願いします。



別件ですが、少しアンケートを取ろうかと思います。

皆さんはどのような設定が好みかというものです。感想欄に気になったものや、それについての様々な意見をいただけると幸いです。

ちなみに、ユーザ登録をしていなくても書き込めるようにしてあるので、そういう方も是非。

では、下にタイトルとあらすじを出します。




  魔導書の裏表紙


 魔法を使う者は皆、魔導書を持っている。と言っても紙の束を持ち歩いているわけではない。自身が一冊の魔導書であり、存在していること=魔導書を所持していることなのである。故に、原則として魔導書は一人につき一冊。しかし、私の魔導書は表紙からではなく、裏表紙から読むことでまったく別の魔導書、人格となる。

 異世界ファンタジー。




   エレメントダスト~精霊廃棄計画~


 やって来たぜ大型温泉旅館。もう温泉に浸かり終えて暇なもんだから、最上階の21階にエレベーターで行ってみた喧嘩好きだけど好奇心旺盛な俺。え? 会長の御曹司? いや、それ俺じゃないから。精霊廃棄計画? そもそも精霊って何さ。命が狙われてる? 護衛つけてやるから影武者やれ。っておいおい、俺が何したっつーのさ! なんなんだよお前ら! ん、護衛の娘チョータイプ…………ま、まあ、そんなに俺の力が必要なら協力してやろうじゃないか。

 さまざまな陰謀に巻き込まれる、現代ファンタジー?



   魔術の法則


 慣性の法則、メンデルの法則、エネルギー保存の法則、結合法則、ケプラーの法則、限界効用逓減の法則コープの法則、交換法則、光速度不変の法則。この世には様々な法則がある。では、魔術はどうか。

 現代ファンタジー



   西から昇る太陽


 突如現れた超金属生命体。その圧倒的なまでの力に、才ある者は女子供でも『ソレ』と戦はざるを得ない状況。そんな中、少年は武器を手にする。普遍的であるにもかかわらず、異特な者と共に。自らの意思に反してなお。

 現代SFバトル




どうでしょうか?

それでは、皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。

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