誰かの記憶の欠片2
あらすじを変更しました。旧版はこれ↓
これは、ハーレム系ラブコメ主人公のような幼馴染に巻き込まれて異世界に来てしまったマイペースな少年が、勇者に仕立てられそうになるお話。
「博士ー」
「おや、今日は一人かい?」
「うん。料理するからって、ひいらに追い出されたんだよ」
「妹君に?」
「そうだよ。でも、料理するのに追い出さなくてもいいと思うんだけどなー」
「まあまあ。上手く作って、驚かしてやりたいっていう乙女心を察してやりなさい」
「何でそこに乙女心が出てくるの?」
「ふむ。君の友達もだが、君もかなり鈍いな」
「?」
「まあいい。それより、見てほしい物があるんだが」
「えー」
「露骨に嫌そうな顔と声を出すもんじゃあない。遂に『アレ』が出来たんだ」
「でもなー、博士の作る物って、いつもどこか抜けてるんだよなー」
「こ、この前のはネジを一本付け忘れただけだ」
「いや、それ随分致命的だから」
「ふっ、だが今回のは自信作だ」
「爆発とかしないよね」
「・・・・・・・・・・アア、モンダイナイサ」
「わー、信頼感ゼロな返答きたー」
「いいから『破常』の試運転に協力したまえ。ほら、イヴ君もこっち来て」